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【ネタバレ有】PdM採用面接での質問集
2024-12-08
2024-12-09
約3228字
この記事は、プロダクトマネージャー Advent Calendar 2024の9日目の記事です!
現在、弊社ではYardという「テック人材に気軽に相談できるサービス」を開発しています。
Yardの開発体制は、しばらく自分がプロダクトマネージャー(以下PdM)を担当していましたが、最近、新しいPdMが加入したため徐々に業務を引き継いでいっています。
振り返ると、今回の後任のPdMを探す際はもちろん、前職でエンジニアマネージャーをしていた頃も含めると、これまでにかなり多くの採用面接を経験してきました。
特に、PdMやそれに準ずるポジションのメンバーの採用面接では、私自身の中で定番となっている質問パターンがいくつかあります。
そこで今回は、その中から 4つの質問 をピックアップして紹介しようと思います。
(ちなみに、この内容を公開すると、今後自分が採用面接をするときにネタバレになるのでは…と少し不安もあります…)
なお、タイトルには「PdM採用面接」とありますが、紹介する質問はエンジニアマネージャーやテックリードといった PdM的な動きが求められるポジション にも十分応用できると思います。
具体的な質問パターンに入る前に、面接で意識している全体の流れを紹介します。
採用面接では、過去~現在パート
と未来パート
の2つに分けるように意識しています。(その後に候補者からの質疑応答の時間を設けたりもします。)
過去~現在パート
では、これまでどんな経験をしてきたかを聞いています。
ハードスキル(ツールの利用経験、データ分析力、エンジニアリングの知識など)の確認はもちろん、実際にどのように立ち振る舞ったかなどのソフトスキルやスタンス的な部分を重点的に聞きます。
未来パート
では、「これからやってみたい事」や「サービスにどう貢献できるか」をアピールしてもらっています。
それらを踏まえ、全体の評価で言うと過去~現在パート
を重視しており、未来パート
は減点はするが加点はあまりしないと言った感じです。
これは、以前読んだ「経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術」という本からヒントを得ており、候補者の表面的な部分より内面の部分に焦点を当てるように心がけているためです。
そのため、以下では過去~現在パート
でのソフトスキルやスタンス面に関する質問を主に紹介します。
「世の中で一般的に信じられている、セオリーに反する行動をしたことはありますか?」
この質問の意図は2つあって「隠れた真実」に気づいたかと「トレードオフ」をどう乗り越えたかです。
1つ目は、ピーター・ティールの「ZERO to ONE」に出てくる「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何か?」的な意味合いで、世の中の常識とは違った信念やアイディアがあるかを確認する質問です。
とはいえ、これをスラスラ言える人は基本的にいないので、この部分はあくまで補助的な目的です。本命は2つ目です。
2つ目は、トレードオフが発生した時に何を切り捨ててきたかみたいなことを深ぼっていくためのものです。
一つ一つの単体の項目で見た場合、どれもとても重要であるにも関わらず、土壇場では綺麗事も言ってられず、何かを犠牲にし結果的に一般的に大事とされているセオリーに反する行いをすることはあると思います。
例えば、プロダクト開発の際にQCDS(品質、コスト、納期、スコープ)のうち何を優先して何を犠牲するかが迫られるケースなどです。
その際に、
などについて、深掘りしたりします。
実際の現場では、コストや納期などの制約から機能を削ぎ落とすような判断がよく求められます。
このような正解がない問いに対して、どう進めてきたかを掘り下げることで、候補者の思考プロセスや人間性が見えてくると思います。
PdMには、意思決定とその責任が求められます。だからこそ、この質問を通して 一緒に働くイメージが湧くか を想像するようにしています。
「直近、上司から受けたネガティブフィードバックは、なんですか?」
ストレートに「あなたの短所ではなんですか?」と聞いても、あんまり深みのある回答は期待できません。
なので、具体的なエピソードを求める形にすると、より現実に即した性格や行動が見えてくると思います。
また、「上司との関係性」や「本人の謙虚さ」や「メタ認知能力」なども見えてくると思います。
ちなみに、これは前職で採用面接していた際に同席した面接官がしていた質問で、良いと思ったので、パクらせてもらっています。
「今まで出会った最高のPdMとご自身の差分はなんですか?」
これはPdMのスキルセットを因数分解でき、優先順位付けができているかを確認する質問です。
PdMのスキルセットは、組織やプロダクトの特性によっても求められるものが違う面はあると思います。
これも正解らしい正解はないですが、自分なりに目指すPdM像が垣間見れるかなと思い聞いています。
その上で、自分の現状の能力をどう捉えており、今後どのような経験を通じて伸ばしていくかの解像度が高いと良いと思います。
PdMは、ユーザーが求める理想の体験や競合プロダクトとの関係を踏まえプロダクトのロードマップを作る必要があると思います。
それと同様に、自分のキャリアパスも何パターンか描けている人を見ると面白いなとも思います。
(もちろん、事前に描いていたキャリアパス通りに進める必要はなく、環境の変化に柔軟に順応することの方が重要ですが)
「ご自身が携わっているサービスの競合サービスのKPIは何だと思いますか?」
候補者の担当サービスのKPIを聞くの守秘義務があり当然NGです。
しかし、競合をどれくらい調査しているかと言うのは、差し障りない範囲で聞いたりもします。
もちろん、競合がKPIを公開していないことも多いですが、見立てとしてはこれで、どれくらいを目指しているかを聞いたりします。
これは、数字を普段からどのくらい意識しているかを確認する質問です。
それ以外にも、市場規模や業界のトレンドを定量的なデータを混えて語れると非常に頼もしく感じます。
私が、PdMの採用面接でよくする4つの質問を紹介してきました。
とはいえ、偉そうに書いてきたものの、正直、自分が候補者だった場合、これらにシャープに答えられるか、そこまで自信はありません。
というのも自分が、過去にしてきた意思決定や振る舞いについて、「これが正しかった」と胸を張って言い切れるわけではないからです。
実際、世の中には私より優れたPdMがたくさんいますし、そんな方々でさえ、完璧だったとは思っていないのではないでしょうか。
それでも
こういった姿勢や思いは、エピソードの端々から伝わるものがあると思います。
そして最終的には、自分の直感で「この人と一緒に働いてみたい」と思えるかどうかが重要だと感じています。
なお、私の採用面接で使う質問は、現在進行形で更新中です。
もしこの記事を読んでいる方の中で、「こんな質問をよく使っています」というものがあれば、ぜひ共有していただけると嬉しいです!(笑)
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