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2025-01-22
約2123字
最近、新たなMac PCのセットアップを行った際に、Pythonのバージョン管理をこれまで使っていたpyenv
から、最近注目を集めている新しいツールmise
(Modern Python Installation and Setup Environment)に切り替えました。
その際に調べたことや、感想をメモしようと思います。
今回はは、mise
を選んだ理由、移行の手順、実際に使った感想を紹介します。
まず、pyenv
を使っていた理由について触れます。
プロジェクトごとに異なるPythonバージョンを切り替えるのにpyenv
は非常に便利でした。.python-version
ファイルを使ってディレクトリごとにバージョンを固定できるのは、複数のプロジェクトを抱える開発者にとって助かる機能です。
pyenv
は長らく使われてきたツールで、オンライン上に多くのドキュメントやトラブルシューティング情報があります。そのため、問題が発生しても解決策を見つけやすいのが魅力でした。
pyenv
はpyenv-virtualenv
などのプラグインを使うことで仮想環境の管理も容易に行えます。このエコシステムの安定性も選ばれる理由の一つです。
最近、mise
という新しいPythonバージョン管理ツールが登場しました。モダンな設計で効率的な動作を目指したこのツールは、pyenv
の代替として注目されています。
mise
はシンプルなインターフェースと、高速な操作性を特徴としています。pyenv
では多くのコマンドを覚える必要がありましたが、mise
は直感的なコマンドで同様の操作を行えます。
pyenv
を使うにはシステムに多くの依存関係をインストールする必要があります。一方、mise
はそれを最小限に抑えた設計となっており、環境構築がスムーズです。
mise
は新しいPythonバージョンやセキュリティパッチを迅速に取り入れることが可能です。また、仮想環境の管理と統合されており、現代の開発ワークフローに適しています。
実際にpyenv
からmise
に移行する手順を以下にまとめました。
mise
のインストールmise
は公式サイトまたはGitHubのリポジトリからインストールできます。以下はLinux環境での例です:
curl -fsSL https://get.mise.dev | bash
インストール後、環境変数を設定するためにシェルの設定ファイル(例:~/.bashrc
や~/.zshrc
)を編集します。
eval "$(mise env)"
設定を反映するには、シェルを再起動するか次のコマンドを実行してください:
source ~/.bashrc
pyenv
で使用していたPythonバージョンを確認します。
pyenv versions
その後、mise
を使って同じバージョンをインストールします。
mise install 3.11.4
mise install 3.9.13
プロジェクトディレクトリに移動し、使用するPythonバージョンを設定します。
mise use 3.11.4
これにより、プロジェクトごとに適切なバージョンが使用されます。mise
は.mise-version
ファイルを自動的に生成するため、後で簡単にバージョンを切り替えられます。
pyenv
のアンインストール最後に、pyenv
をアンインストールしてクリーンアップします。pyenv
関連の設定をシェルの設定ファイルから削除し、pyenv
ディレクトリを削除します。
mise
は軽量設計であり、余分なオーバーヘッドが少ない。.mise-version
ファイルでディレクトリごとにバージョンを自動適用可能。mise
は、pyenv
に代わる非常に有望なPythonバージョン管理ツールです。
そのシンプルさ、高速性、そしてモダンな設計は、多くの開発者にとって魅力的なツールとしてデファクトになっていくと感じました。
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