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エンジニアマネージャの退職時のオフボーディングのお作法
2024-12-17
約2681字
この記事は、Engineering Manager Advent Calendar 2024 17日目の記事です。
私は、今年の8月に前職を退社しました。
前職では約5年間、データ組織でエンジニアマネージャ(以下、EM)を務めていましたが、退社の約半年前からEMの役割を後任者へ引き継ぎました。
今回は、その引き継ぎの際に注意したポイントについてまとめてみました。
私がEMに就任した当初、私のチームは5人のメンバーがいましたが、最終的には合計15人ほどのチームになっていました。
初期の頃からデータ基盤の開発・運用を行っていましたが、事業の発展とともにデータ基盤の拡充やデータプロダクト(レコメンド、検索、アセスメント機能など)の開発も積極的に行いグループも成長することができました。
EM就任当初は、プレイングマネージャー的な立ち振る舞いが多かったですが、チームメンバーが増えるにしたがって、システムごとにリーダーを置き技術面のマネジメントはリーダーに委譲しピープルマネジメントの比重を増やしていきました。
そんな中、EMとしての自分のスタイルを常に模索しながら、いろんな失敗もしたと思います。
最近、話題の「無自覚にメンバーの心理的安全性を奪っていた経験」に関して自分も多少なり似たようなことはあったと思います。言える範囲のライトなネタをシェアしておくと、
ということがあったかなと思います。
やはり、EM時代の途中でコロナが来て、リモートワークの中で組織をマネジメントするというのは、当時、誰にとっても未知で難易度の高い業務だったと思います。
なので、現在(2024年12月時点)、LINEヤフーさんのRTOのトピックが賛否を巻き起こしていますが、オフィス出社した方がマネージャーはチーム運営しやすいという気持ちはよくわかります。
さて、話を本題に戻すと、当時私がEMとして行なっていた主な業務は以下の感じです。
これらの業務を一つずつ後任のEMに引き継いでいく必要がありました。
後任の方は、私のチームにジョインして約3年が経っており、これまで一つのプロダクトのリーダーを任されていました。
EMを引き継ぐタイミングで新任のマネージャーに任用されましたが、その方の前職でEM経験があり、人物面でも技術面でも信頼できる方でした。
チーム内での信頼も厚く、若手の相談役として頼りにされる存在でした。
私とは上司と部下の関係ではありましたが、年齢が同じということもあり、非常に話しやすい関係性だったと思います。
さて、引き継ぎ項目は、上記で述べたEM業務の全てがそうですが、その中でも特にピープルマネジメントの部分を重点的にフォローしました。
理由としては、ヒト・モノ・カネの管理の中で、ヒトの部分は、実際にEMになってからでないと権限的に引き継げない情報もあったためです。
いっぽうで、後任のEMは同じチームで長く一緒に働いていたメンバーだったので、技術的なモノやクラウド料金などのカネの部分は、十分に把握していたため、あまり詳細な説明は必要ありませんでした。
ヒトに関する引き継ぎは、最初にスプレッドシートを作りメンバーごとの基本情報を引き継ぎました。ただし、それだけでは有益な情報ではないので、後任者との定期的な1on1の中で、口頭で細かくエピソードベースで人物像の共有をしたりもしました。
もちろん、私よりも後任者の方が解像度が高い部分もあるので、その辺りも含め認識を深めていきました。
私がEMとしてやりがいを感じていたのは、メンバーの成長機会をいかに提供できるかという点です。
また、同時に組織や事業の課題やミッションをどうクリアするかも同時に考慮する必要があります。
そこで、個人と組織の方向性をうまく調和させながら、メンバーのポテンシャルを最大限に引き出す育成方針について、後任のEMと何度も議論を重ねました。
さらに、私が行なってきたチーム運営のスタイルを必ずしも踏襲する必要はないということも強調して伝えました。
私自身のスタイルにも良くなかった部分があるでしょうし、後任のEMには彼自身の個性や強みを活かしてほしいと思ったからです。
自分らしいマネジメントスタイルを徐々に確立しいってほしいと期待しています。
そのほかにも、以下のようなことを行いました。
私がEMを外れてから最終出社日まで約4ヶ月の期間があったため、じっくりと引き継ぎを進めることができました。
結果として、EM業務は無事に後任へ引き継げたと思っています。(もちろん、本当に無事だったかは後任EMの評価に委ねるところですが…)
先日、後任のEMとランチに行きました。
社外のSlackなどで、軽い雑談をする仲ではありましたが、実際に会うのは3ヶ月ぶりくらいでした。
前職のオフィスの近くで食事をしながら、チームメンバーの近況報告やチームが抱えているタスクについて意見交換できました。
とはいえ、私自身はもうアドバイスする立場ではないので、あくまで雑談ベースで話を聞く、という感じでした。
当時のチームメンバーの活躍や成長を聞いて、とても嬉しくなりました。
そして、後任のEMもたくましくチームをまとめられているようで安心しました。
さて、私の退職理由ですが、細かい話は以下の記事に書いています。
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