🧑🏫
Dify Meetup Tokyo #5 レポート
はじめに
2025年5月20日、渋谷スクランブルスクエア 21F に約120人が集い、オンラインでは YouTube からも多くの視聴者が参加した Dify Community Meetup (JP) 第5回。 今回のテーマは「プラグイン」。 ローコード/ノーコードで AI アプリを作れる Dify に “自分専用の拡張” を差し込むことで、現場の課題がどう解けるのか――。 6 本の発表と 1 時間超の Q&A を経て浮かび上がったキーワードは 「速度」「相性」「現場起点」 でした。
セッションダイジェスト
1. DifyのETL処理とDifyプラグイン (坂・高田/リコー IT ソリューションズ)
PDF読み込みをめぐる深掘り
OSS 版とクラウド版で ETL タイプが異なる(
unstructured
とdefitype
)。既存プラグイン3種を比較した結果、
pymupdf
が最速(1.5 秒)。教訓
「速さ・ライセンス・抽出品質」は三つ巴。ワークフローに入れる前に “現物” でベンチマークすべし。
2. Difyによる全社LLMプラットフォーム運用とv1アップデート (大泉/DeNA)
クラウドラン+Terraform で V0→V1 へ
プラグインデーモンの登場でアーキテクチャを再設計。
Cloud Run side‑cars
に API・Worker・PluginDaemon を同居させ FS 永続化。運用Tips
DB スロット逼迫は Cloud SQL 1台運用の限界。スロット分離と Cloud Spanner 移行を検討中。
DeNA 社内 MAU は 800 超、障害ゼロを継続。
3. アプリが動かない? まずバージョンを疑え(清水/Generative Agents)
クラウド版で502 が出る原因
プラグイン/SDK/Plugin Daemon/モデル―― “6層のバージョン” が噛み合わないと簡単に落ちる。
解決策
「動く組み合わせ」を Issue で共有、
0.0.23
以降の OpenAI プラグインが安定。ローカル運用なら v0 系が最も堅牢。
4. Artifacts? なければ作ればいいじゃない(宇佐美/サイバーエース)
非エンジニアが3時間で PDF 変換プラグインを開発
Claude で HTML 化→Playwright で PDF 出力。
情報収集は Cursor の Docs 検索+ノート LM。
5. ビジネスを加速するプラグイン紹介(李/サイバーエージェント)
使える鉄板4本
Perplexity Search… Web 検索をチャットに統合。
Markdown Export… Word/Excel/PPT/PDF へワンクリック変換。
OpenAI Image(DALL·E 3)… 広告バナーの作成&修正。
Zapier MCP… スプレッドシートを AI エージェントから操作。
成果
提案書ワークフロー:質問→リサーチ→Word 出力で 1/5 時間。
未対応問合せメールの自動ドラフト作成。
6. 自治体での Dify 活用とローカル LLM(川口広行合同会社)
閉域ネットワーク×ローカル LLM
LGWAN 内にシングルテナント Dify を配置。
Mac Studio 上で DeepSeek-JA や Gemini‑JA を稼働、OpenWebUI をフロントに。
期待されるユースケース
調達仕様書の自動下書き。
個人情報を外に出さない住民申請チェック。
まとめ – “現場が主語” で選ぶプラグインの三原則
速さは正義
同じ ETL でも 1.5 秒と 30 秒では体験が別物。必ず実ファイルで計測する。
バージョンは文化
Dify 本体・SDK・Daemon・モデル・プラグイン… 6 層が噛み合って初めて動く。“動いた組み合わせ” を共有し、迷ったらローカル v0 系に退避する勇気を。
入れ子で拡張
「ローカル LLM → LGWAN Dify → インターネット Dify」―― モードを分けて“出していい情報”だけを次の層に渡す。守りと攻めを同時に満たす設計が必須。
おわりに ― 余韻と展望
今回の Meetup で印象的だったのは、 “プラグインが欲しいから開発を学ぶ” のではなく、 “現場の違和感を消したいからプラグインを作る” という姿勢でした。
PDF が遅いなら最速ライブラリを書き換える。
バージョン地獄なら組み合わせ表を作る。
閉域でも使いたいならローカル LLM を持ち込む。
課題の数だけ拡張は生まれ、拡張の数だけ Dify で解決できる領域が増える。 次回、あなたのプラグインがこのステージで語られることを期待しつつ、 渋谷の夜はまだまだ続きます。
Yardでは、AI・テック領域に特化したスポットコンサル サービスを提供しています。
興味がある方は、初回の無料スポットコンサルをお申し込みください。
また、資料請求やお問い合わせもお待ちしております。テック領域の知見を獲得し、事業成長を一緒に実現していきましょう。
Read next
Loading recommendations...