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「良い記事は誰かを救う!」Qiita Bash イベントレポート
2025年4月14日、WeWork品川にて「【Qiita Bash】良い記事は誰かを救う!読んで良かった記事 と 書くときの工夫」が開催されました。Qiita Bash はエンジニア同士がリアルな場で学び合い、交流し、新たな発見を得るためのイベントです。今回は「エンジニアが救われた記事の紹介」と「記事を書くときの工夫」を軸に、6名のLT(ライトニングトーク)発表が行われました。会場にはドリンクスポンサーとしてリシャイン社が参加し、終始にぎやかな雰囲気のまま進行しました。
オープニング
最初に登壇したQiita株式会社のスタッフから、Qiita Bashの趣旨が説明されました。テーマごとに集まったエンジニアが親睦を深め、知見を共有する「バッシュ(Bash)形式」を目指していること、さらに今回は“良い記事”に焦点を当て、書き手・読み手がどのように情報発信に向き合うとよいかを考えようという狙いが語られました。
続いて、ドリンクスポンサーであるリシャイン社からのご挨拶があり、会場のWeWork施設案内とともに「コミュニティがエンジニアの成長を支える大きな力になる」というメッセージが共有されました。みんなで乾杯し、いよいよLTセッションへ突入です。
LTセッション
1. infra365 さん
「いつも初心者向け記事に助けられているので、得意分野では初心者向けの記事を書きます」
AWSやオンプレミスのインフラ業務を行うエンジニアとして、日々初心者向け記事に救われているという話からスタート。特に、自身が勉強する際は最初に初心者向けの記事を読んで動かしてみて、その後公式ドキュメントで詳細を深掘りするそうです。そして「自分の得意分野は、同じように誰かの初心者期を支えられるはず」と考え、AWSやネットワーク系の入門記事を書くことを心がけているとのこと。図解を多めにし、頭に入りやすいストーリーを重視している姿勢は、まさに初心者向け執筆の手本といえます。
2. Tochikawa さん
「良い記事」と「読まれる記事」の共通点と相違点
続いて、企業ブログ運営経験のあるTochikawaさんは、「良い記事」は課題解決を明確に行い、「読まれる記事」は幅広い層が気になる強烈なキーワードがある点がポイントだと指摘。たとえば専門性の高い「Railsのデリゲート型」は深く刺さるが読者層は狭い。一方、多数に読まれる記事は「DBクライアントツール」など一般性が高いネタだったりするなど、“想定読者”の幅が異なるのだと示しました。最終的には、執筆の目的(短期的PVか長期的ブランドか)を明確にし、誰に向けて書くのかぶれないようにすることが大切とのメッセージです。
3. rocky_manobi さん
「助けられた記事の作者が社内の人だと分かったときってちょっと嬉しいですよね」
「ネットで検索したらヒットした記事が、なんと社内のエンジニアが書いていた!」という経験を共有。身近な先輩・同僚が書いた記事で問題が解決すると、単純に「ありがたい」だけでなく、誇らしさや実在感が湧いてモチベーションになるそうです。また、続けていくにはフィードバックが重要で、社内の近い距離でフィードバックがもらえると「書き続ける意欲」が自然に生まれるとのこと。アウトプットは大きなPVだけを狙うより、まずは自分や社内で発生する課題を解決していく記事が有効そうです。
4. Tommy さん
「ネット上のたくさんの誰かのおかげでエンジニアになれた話」
Tommyさんは大学時代は海洋数値計算など別分野にいたが、ネット上の記事やブログに多大な影響を受けてエンジニアとしての道を進んだとのこと。「アウトプットすることは大事だと分かっていながら、初めは投稿に踏み出せずにいた」という自身の経験を振り返り、いざ書き始めてみると自分も情報発信の楽しさを実感できたといいます。また、流行に飛びつきすぎてPVを求める書き方をした結果、質が落ちた苦い経験などを赤裸々に語り、「自分の理解や失敗を正直に書いた記事こそ誰かの共感を得られるのでは」とまとめました。
5. Watanabe Jin さん
「なぜQiitaを600本書けたのか?」
Qiitaへの投稿本数600本という圧倒的実績を持つWatanabeさんが登壇。モチベーションは「世界で同じエラーや課題に苦しむ誰かを救うため」だけだと断言。「あなたが10分かけて解決したエラーなら、同じエラーに遭う人の10分を省ける」という考え方を語りました。また、OSSやツールが無料で使えるのは、誰かが情報やコードを公開しているからこそ成り立っている文化であり、「自分も貢献する姿勢こそがエンジニアのあるべき姿」とメッセージ。100本投稿は実は大きな武器になるとも強調し、「あなたの経験は誰かのタカラ」であると呼びかけました。
6. mercury_dev0517 さん
「理解に時間をかける大切さを知って救われた話」
最後に、インプットへの姿勢として「理解には時間がかかると認めることが大切」というテーマを共有。紹介記事として“プログラミングというより物事ができるようになる思考法”を挙げ、「最初から全てをスラスラ分かるわけはない」として時間をかけ丁寧に読み解く手法を実践する話が印象的でした。また、「自分が苦労したポイントを素直に書くほうが読み手が共感しやすい」という読者視点のアドバイスも。自分のスピードに合わせて繰り返し調べたり少し寝かせたりしながら、わかりづらい部分を克服した軌跡を記事に落とし込むことが多くの人の助けになる、とまとめました。
ネットワーキングとQ&A(抜粋)
LT終了後は飲み物片手のネットワーキングへ移行。各登壇者への質問や、記事執筆で抱える悩みが参加者同士で活発に飛び交い、新たなつながりが生まれる場となりました。 「自分の専門外の領域に踏み込み始める際、まずは初心者向け記事を漁る」、「エラー記事を書く際、検索に引っかかりやすいキーワードの入れ方はどうしてる?」など具体的な話題がちらほら。参加者から「短文でもいいから書いてみようという気持ちになりました!」という声も上がり、終始にぎわう雰囲気のまま幕を閉じました。
最後に:全体を踏まえた感想
どのLTでも共通していたキーワードは「自分が助けられた分、今度は誰かを助けるために書く」。初心者向けの記事、失敗談を素直に書く記事、ちょっとしたエラーを解決したメモが、実は想像以上に多くの人を救っているのだと改めて実感しました。書き手側の目線では「たったこれだけ」と思っても、読み手には大きな気づきを与えることがある――そんな“アウトプットの魔力”を強く感じるイベントとなりました。
また、「書くことで自分の頭が整理され、さらに記事を続けるうちに予想しなかった評価やフィードバックがもらえる」という話が何度も出てきた点も印象的です。アウトプットは自分の学習効率とブランド形成に繋がるだけでなく、社内外のつながりを作るきっかけにもなるでしょう。今回のQiita Bashを機に、改めて「良い記事は誰かを救う」ことの意義をかみしめた参加者が多かったのではないでしょうか。
もし「書くネタがない」「技術的に初心者だから……」と尻込みしているなら、ほんの些細なエラーや学習内容でも記事にしてみるのがおすすめです。自分のペースで書きためるうちに、それが新しいコミュニケーションの扉を開き、いつか同じ悩みを持つ誰かを救うはず。ぜひ次のQiita Bashや各種勉強会でも、あなたの記事が助けになる瞬間が増えていくことを期待しています。
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