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【イベントレポート】Hono活用を徹底解説 先達に学ぶベストプラクティス
公開
2025-04-03
更新
2025-04-03
文章量
約2820字

Yard 編集部
Yardの編集部が、テック業界の最新トレンドや知見について発信します。
2025年2月18日、「Hono活用を徹底解説 先達に学ぶベストプラクティス」というオンラインイベントが開催されました。Web標準準拠かつ軽量・高速な開発を実現できると注目されるHonoについて、実際に導入している3名の登壇者が、ベストプラクティスやノウハウを共有してくださる貴重な機会となりました。ここでは、それぞれのプレゼンテーションの要点と、全体の質疑応答から得られた知見をまとめます。
イベント概要
本イベントでは、以下の3セッションが行われました。
RIóNさん 「Why Hono? Honoが解決してくれるPainについて語る(仮)」
よだかさん 「Honoとフロントエンドの型安全性について」
おりばーさん 「スタートアップ企業によるHono実践実例」
それぞれ、Honoを採用する経緯や、APIとフロントエンドとの連携、さらにはスタートアップ企業での導入事例などを中心に、実践的な視点から語っていただきました。
セッション1:RIóNさん
Why Hono?
RIóNさんは、獣医師とのオンラインカウンセリングサービスを開発中のエンジニアとして登壇。多種多様なプロダクトでサーバーサイドTypeScriptを使い込んできた経験をもとに、Honoが「どうしてこれほど便利なのか」を熱く解説してくれました。
Honoの特徴
超軽量・超高速 ベンチマークや公式ドキュメントでも示されるように、Honoはサイズが小さく、応答速度が速い。
マルチランタイム対応 Node.jsはもちろん、DenoやCloudflare Workersなど、環境を選ばずにデプロイ可能。
バッテリーインクルード 豊富なミドルウェアとSchema駆動開発をサポートし、ルーティングやバリデーションなどを容易に実装できる。
Zodとの組み合わせ
バリデーションにはZodが重宝され、型定義とスキーマ検証を一貫させられることで「壊れないAPI」を作りやすくなります。またZodにより生成したスキーマからOpenAPIを自動生成するアプローチも示され、オープンAPIの更新漏れが減らせる利点が強調されました。
全体まとめ
フロントとバックの型共有 サーバーサイドで定義した型をフロント側で使えるため、型の重複やズレが減る。
安定かつ高速なAPI 導入負荷が低く、しかも高速。大規模トラフィックにも耐えられるため、大企業やスタートアップを問わず使いやすい。
セッション2:よだかさん
Honoとフロントエンドの型安全性について
続いて、フリーランスエンジニアのよだかさんが登壇。フロント(Next.js)とバックエンド(Hono)間での型安全開発を中心にお話しいただきました。
HonoのRPCモード
Honoでは通常のRESTルーティングに加え、RPC的な書き方を支援する仕組みもあります。よだかさんは特に“炎のクライアント”という薄いラッパライブラリを用いることで、型推論が効く環境を整え、フロントエンドに無理なく適用している事例を紹介しました。
2つの連携手法
Next.jsとのRPC連携 バックエンドのルート定義を型としてエクスポートし、フロントから型安全に呼び出す。実行時にもパラメータのズレを即座に検出できる。
FlutterアプリへのOpenAPI連携 Flutter側はTypeScriptが使えないため、Zod + OpenAPIの仕組みでバックエンドのスキーマをOpenAPIとして書き出し、そこからFlutter用のAPIクライアントを生成する。片方をRPC、もう片方をOpenAPIとした例が非常にわかりやすく、マルチクライアントを抱える方にとっての参考になりました。
セッション3:おりばーさん
スタートアップ企業によるHono実践実例
最後に、スタートアップを創業したばかりのおりばーさんが「漫画投稿プラットフォーム」におけるHonoの導入事例を詳しく語りました。
モノレポ構成でのHono
フロント(Next.js)とバックエンド(Hono)を同一リポジトリで管理するモノレポ体制を採用。ローカル開発を快適にするため、Next.jsの開発サーバー内にHonoをマウントしつつ、本番はECSなど他環境にも柔軟に移行できる設計が工夫されています。
ドリズル(Drizzle)×Zodの推奨パターン
おりばーさんは「ドリズルとZodの組み合わせは衝撃的だった」と語り、DBスキーマの定義をTypeScriptで書き、それをZodでバリデーションし、Honoのエンドポイントに反映していくワークフローが非常に快適と紹介。テスト面でも「Hono Testingヘルパー」によりサーバー起動なしにユニットテストが書きやすいと述べました。
Q&A抜粋
Q. ディレクトリ分割していても型を共有するには?
A. できるだけモノレポ化して、Hono側の型定義やZodスキーマをパッケージとして切り出すのがおすすめ。別リポジトリでやるならOpenAPIで連携する方法もあるが、メンテナンスがやや煩雑になりがち。
Q. RPCとRESTのどちらを使うか?
A. HonoクライアントでRPCライクに実装可能だが、実態はHTTPメソッドを内部で呼び出しているにすぎない。trpcのようにフロントから全面的にRPCにするか、Honoで柔軟にRESTエンドポイントとRPCを使い分けるかは要件次第。
全体を踏まえた感想
「型安全」と「高速な開発」が両立するHonoの強み
3名の登壇を通じて、Honoが「TypeScriptでサーバーサイドを実装する際の大本命フレームワーク」になり得ることが改めて確認されました。特にZodによるバリデーションと型共有の楽さ、およびアダプタを使ったマルチランタイム対応が非常に魅力的です。
さらに、細かい実例として
軽量かつ高速なルーター
RPC風のエンドポイント連携
OpenAPI生成で他言語クライアントにも対応
など、様々なメリットが語られました。一方で、モノレポでの管理や学習コストなどの課題も少し存在するため、プロジェクト事情に合わせた設計が大切だと感じられました。
「まずは小規模なAPIからHonoを試してみて、その開発体験を実感する」──3名のアドバイスは、これからHono導入を検討する方々にとって大きな助けとなるでしょう。軽量なフレームワークながら、多機能と高速性を高い次元で両立するHono。今後さらに支持が広がっていくことが期待されます。
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