⏫
現役フリーランスエンジニアから学ぶ、技術・スキルを磨き続ける仕事術 イベントレポート
「フリーランスは不安定」「会社を辞めたら終わり」――そんな固定観念を吹き飛ばすイベントが7月2日に配信されました。 タイトルは 「現役フリーランスエンジニアから学ぶ、技術・スキルを磨き続ける仕事術」 。登壇したのは、デザイナーから転身したマルチスタックエンジニア 内田武秀さん と、都会を離れ八ヶ岳に拠点を構える DevSecOps エンジニア 佐藤裕介さん の2名です。
二人はバックグラウンドも生活環境も対照的ながら、「プロとして価値を出し続ける」という一点で完全に重なっていました。本レポートでは、セッション内容と質疑応答を軸に“稼げる・磨ける”フリーランス像を描き出します。
1. セッションダイジェスト
1‑1 内田武秀さん
テーマ:良いものを作りたいと願い続けていたらこうなった
キャリアの変遷学生時代のWebデザイン→東京でグラフィック→豪州・ベトナムでフルスタック&営業管理→帰国後フリーランスへ。 常に「ユーザー体験の質」を最優先し、必要だと思えばサーバ運用やセールスまで自分で手を伸ばした結果、自然にスキルセットが拡張した。
マインドセットの分布図縦軸ポジ/ネガ、横軸能動/受動で自分の選択を俯瞰。 「‐×(受動かつネガ)」にとどまらず、誘いが来たらまず ポジティブに乗る。これが経験を一気に広げ、市場価値を押し上げた原動力。
周囲に求められる人になる四カ条
圧倒的な業務知識
鮮度の高い情報収集(Medium、Reddit 等英語圏が主戦場)
自分の立ち位置を客観視(Stack Overflow Developer Survey で年収帯を定期確認)
話題の技術を触って仲間と壁打ちし、知識を“血肉化”
1‑2 佐藤裕介さん
テーマ:エンジニアのキャリアと成長の軌跡 〜技術の深さと広さを追求して〜
大手商社系のハードエンジニアから独立へコピー機修理→ネットワーク運用→業務Webシステム開発へとシフト。15年の社歴で3000万円規模プロジェクトを率いたのち、山梨・八ヶ岳に移住して独立。
50超の案件で鍛えた「並列力」最多で同時8プロジェクトを回した経験あり。成功の鍵は「課題の階層把握」と「ユーザー視点での即席デモ作成」。 例)月2人月かかっていたAWSリソース管理をフルリプレイスし、年4000万円の人件費を削減。
技術哲学
挑戦と行動:未経験でもまずやる
基礎技術重視:OS/ネットワークが分かるから最新トレンドを咀嚼できる
継続学習:1.5か月でOSS26本公開。ラスト+Bevy/Svelte など、言語の設計思想から掘る
問題解決ドリブン:経営・管理・現場の課題を俯瞰し、ROIを示して単価交渉まで行う
2. Q&A ハイライト(抜粋)
質問 | 内田さんの回答 | 佐藤さんの回答 |
|---|---|---|
案件はどう獲得? | エージェントと友人紹介が半々。信用は「UXのためなら領域を超える姿勢」で築く。 | 最初はエージェント15社に登録し“数撃ち”。今は固定先3社+α、でも常に案件メールで市場の温度を測る。 |
単価を上げた戦略 | 出世を追わず、とにかく品質追求。領域拡張が結果的に報酬に反映。 | 現場のコスト削減効果を数値で提示→時給5千円UPなど交渉。Stack Overflowなどで相場もチェック。 |
学んだ知識を実戦レベルへ | 仲間と壁打ちし、議論で“分かったつもり”を潰す。 | 個人OSSを速攻で公開→レベルの高い現場でPRレビューを浴びる。商用デプロイまで持っていって初めて合格。 |
技術以外に必要な力 | 誠実さとポジティブさ。ごまかさず、嫌でも少しでも興味があれば飛び込む。 | ビジネスマナーを徹底(報連相・勤怠)。さらにタスクを自ら分解し進捗を能動的に報告する力。 |
3. 俯瞰して見えた“勝てるフリーランス”の共通項
好奇心を刈り取らず、まず手を動かす新技術は“机上で比較”より“3時間プロトタイプ”。内田さんはAIチャットボット、佐藤さんはRust製コンテナツールを即日公開。
価値の物差しは「ユーザー or 事業」UXを守るインフラチューニング、人件費を圧縮する自動化――技術選定の理由が言語化できる。
相場を定点観測し、数字で語るSurvey や案件メールを毎週チェック。期が熟せば自ら単価改定を提案できる準備を整えておく。
孤独を避け、フィードバックを取りに行くOSS公開、PRレビュー、仲間との議論――“独立”と“孤立”は違う。アウトプットの質は他者の目で磨く。
4. まとめ――“自由”と“責任”を両輪で回す
「好き」を貫くほど、周囲はあなたを必要とする。それがフリーランス最大の武器だと、二人は証明してくれました。
内田さんは「良いものを作りたい」衝動を軸に、必要な技術を片っ端から吸収。佐藤さんは「課題を解きたい」欲求を起点に、基礎と最新を往復しながら価値を数値化しました。 共通するのは、自由を得た分だけ自らに責任を貸し、結果で信頼を積み上げる姿勢 です。
フリーランスを目指す人も、今まさに案件選びに悩む人も、まずは目の前の課題を“自分ごと”に置き換え、120%の解像度で向き合ってみてください。そこに学びと次の依頼が自然と続きます。
あとがき ―― “縁”を回すエンジニアリング
聞き終えて最初に浮かんだ言葉は「エンジニアは縁ジニア」。 技術を介して生まれる縁が次の仕事を運び、縁を回すたび技術も研がれていく。 そんな“循環”を体現する二人の話は、フリーランスという働き方の可能性を鮮やかに照らしてくれました。
今日から自分も、良い循環の歯車を一つでも多く回していきます。
Yardでは、AI・テック領域に特化したスポットコンサル サービスを提供しています。
興味がある方は、初回の無料スポットコンサルをお申し込みください。
また、資料請求やお問い合わせもお待ちしております。テック領域の知見を獲得し、事業成長を一緒に実現していきましょう。
Read next
Loading recommendations...
