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AI駆動開発、そのやり方で合ってる?PMとエンジニアで語る AI駆動開発に求められる品質とは イベントレポート
2025 年 6 月 24 日に開催されたオンラインイベント 「AI駆動開発、そのやり方で合ってる? PMとエンジニアで語る AI駆動開発に求められる品質とは」。 登壇したのは、ログラスで生成 AI/LLM チームを率いるソフトウェアエンジニア r.kagaya 氏と、エクスプラザの生成 AI エバンジェリスト 宮田大督(miyatti)氏。司会は overflow 取締役 CTO 大谷旅人 氏。 「AI コーディングエージェントが当たり前になった世界で、私たちはどう品質を担保し、どこに時間を投資すべきか」を真正面から掘り下げた 60 分を、技術広報の筆致でレポートします。
1. AI駆動開発の現在地 — オープニング
大谷氏の前振りは、開発現場に突き刺さる問いから始まりました。
「PM が書いた仕様をそのまま AI エージェントに読ませて終わり――。 それで“リリースに耐える品質”が本当に得られるのでしょうか?」
生成 AI の恩恵でソフトウェア開発は「かつてない速度」に達した一方、品質保証やチーム連携の課題はむしろ表面化している――会場全体がうなずきながら本編へ。
2. セッション①
「AIコーディングが当たり前になった世界で、エンジニアは何ができるのか」
登壇者:r.kagaya 氏
1 年で社内 IDE が Claude Code へ総入れ替えになったというログラスの現場感が圧巻でした。ポイントは三つ。
“手数の爆発”が前提を変えた
1 日で PR を 10 本上げられる世界。レビュー・CI・バックログの回し方がボトルネックになる。
ガードレール設計が命綱
型・Lint・テストを「AI の外側」に置き、TDD で先に期待値を固定。
「AI を使うのではなく導く」という視点転換。
職種を超えたコーディング
デザイナが Claude Code でフロントを組み、PM が Cursor で環境構築。
エンジニアは基盤整備と評価自動化へシフトしつつある。
ケント・ベック氏の言葉「プログラミングを始めて 50 年、今が一番楽しい」が引用され、会場は笑顔と背筋の伸びる緊張感に包まれました。
3. セッション②
「コードは生成できても Why は生成できない ―― PdM 視点の AI駆動開発 Tips」
登壇者:miyatti 氏
生成 AI を活用した AIPM システム や、ノーコードツールで業務フローを資格化する事例が次々と紹介されました。
アウトプット最小/アウトカム最大
AI により「企画〜開発」が高速化した結果、“空いた時間”が生まれる。
その時間を「質を深掘りする思考」に振り向けなければ、ただ作業が増えるだけ。
手を動かしながら考える
バイブコーディング一辺倒では思考が浅くなる。
あえてノーコードでプロトタイプを作り「触覚的に」問題と向き合う。
コンテキストは王様
情報を1レポジトリに集約し、PM もエンジニアも同じ文脈で会話する。
AI は整理と変換を担い、人間は洞察を担う――役割分担を明確に。
「質は“ひらめき”でしか伸びない。AI がくれた余白を、思考の深さで埋めよう」というメッセージが強烈でした。
4. キーワードで振り返るイベントの核心
AI を導く:プロンプトよりガードレール。基盤整備が品質ラインを決める。
コンテキストエンジニアリング:情報を一つの文脈に束ね、AI と人の対話コストを最小化。
手触りのある思考:ノーコードやホワイトボードを使い、“考えながら作る”サイクルを復権させる。
新しい役割分担:エンジニアは R&D・評価自動化へ、PM は課題解像度とビジネス仮説へ。
AI時代の羅針盤を手にして — 全体を通じた所感
生成 AI は速度を与えてくれました。しかし速度は「何を作るべきか」を教えてはくれません。 本イベントが示したのは、次の二点です。
品質はプロセスで作り込む時代テスト自動化・リント・型・CI――AI のアウトプットを評価・修正するエコシステムを敷くことが、もはや開発の第一歩になりました。
余白こそ価値創造の源泉AI が空けてくれた時間を、ユーザー理解や戦略思考に投資できるチームが勝つ。速さで生まれた余白を、深さで埋める――これが AI 駆動開発の「第二章」です。
登壇者の言葉を借りれば、「今が一番楽しい」。 私たちは AI と並走しながら、新しい開発様式を自ら設計するフェーズに入りました。今日の議論を起点に、それぞれの現場で“AI と共に未来を設計する”挑戦が加速することを期待してやみません。
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