🎙️
開発ライブ実況 #10 AI開発支援ツール体験レポート
はじめに – “録画×実況”でのぞくリアルな開発風景
「他のエンジニアはどうやってコードを書いているのか?」 そんな素朴な好奇心に正面から応えるのが 開発ライブ実況 シリーズです。第10回となる今回は、Google Developer Expert の soundTricker さんが個人プロジェクトを進める様子を録画し、その場で本人と実況陣(vvakame さん、sinmetal さん)が突っ込みを入れながら再生しました。 テーマは JetBrains 製 AI コーディングエージェント「Junie」 と Google 製コーディングアシスタント「Gemini Code Assist」。両者を同時に使い分け、React フロントエンドと Python FastAPI バックエンドをゼロから立ち上げる 46 分間を追体験できる構成です。
1. ツール概観 – “エージェント”と“アシスタント”の違い
Junie
JetBrains IDE に統合された タスク駆動型エージェント。
指示を与えると自らプランニングし、ターミナル操作・ファイル生成・テスト実行まで“自走”。
プロジェクト直下の
JUNIE_GUIDELINES.md
を常時参照し、ガイドラインを守った上でコードを提案。ブレイブモードを有効化するとユーザ確認なしで変更を進められる。
Gemini Code Assist
Gemini モデルを IDE 内チャット・インライン補完に最適化した 対話型アシスタント。
実ファイル作成やシェル操作は行わず、コード片や改善提案をその場で提示。
近頃は日本語理解も向上。ただし新機能への追随は VS Code 版が先行しがち。
soundTricker さんは「長いタスクは Junie、ピンポイントの修正・相談は Gemini」と使い分け、さらに場合によってはブラウザ版 Gemini や Claude も組み合わせているとのことでした。
2. 実況付き開発ハイライト
時間 | 主な出来事 | 見どころ |
---|---|---|
0–10 min | プロジェクト初期化、
設置 | 複数ディレクトリを持つモノレポ構成で Junie がどこまでガイドラインを参照できるかを実験 |
10–25 min | React + TailwindCSS v4 セットアップ | 新バージョンの知識不足 を Junie が露呈。最新版の手順を事前にコンテキストとして与えることで回避 |
25–35 min | FastAPI モデル・エンドポイント自動生成 | Junie が CRUD 用サービス・テストコードまで一括生成。“1 セッションで複数タスク並列依頼” という使い方が披露される |
35–40 min | Gemini でダークモード切替 UI を相談 | チャット欄に「回答が長い!」と嘆く場面も。
に「簡潔に」と書くと出力が締まるコツが共有 |
40–46 min | 仕上げ・手動微調整 | Junie 生成コードを人間がチェックし、不要ファイルを削除してコミット。 「気に入らなければ捨てる潔さ」 が印象的 |
実況者二人は「部下に仕事を振る感覚に近い」「思ったより疲れる」と率直な感想を漏らしつつも、一発ビルド成功率の高さに舌を巻いていました。
3. Q&A ダイジェスト
質問 | 回答要旨 |
---|---|
Q. 有料 IDE を選ぶメリットは? | デバッガや定義ジャンプなど “素の開発体験” がまず段違い。AI 連携では IDE 内シンボル解析を Junie が活用するため、 「一発でコンパイルが通る率」が高い 。 |
Q. Python の仮想環境は何を使えば? | ツール差より「プロジェクトで どう操作するかを
に明示 」が重要。Junie/Gemini に徹底させるための“作法共有”が本質。 |
Q. Junie と Cursor(Claude)どちらが良い? | 長文プロンプトが得意な人は Cursor も強力。ただ Junie は エージェント型でプランニングが秀逸 なため、タスクを丸投げしたい時に向く。 |
Q. 作業を中断・再開するコツは? | GitHub Issue とリンクさせて「途中状態を説明できる URL」を AI に渡すと良い。逆に “ワンショットで終わらせ、気に入らねば捨てる” という割り切りも有効。 |
Q. 日本語と英語、どちらで指示すべき? | Gemini 系は日本語でも 80 % 以上通る。英語指定で +20 % 精度が上がっても、 英文を考えるコストとのトレードオフ を見極めるべき。 |
4. 視聴者の気づきとリアクション
「プロンプトは A4 1 枚も要らない」――短い指示でも Junie が補完してくれる様子に驚きのコメント多数。
「暗黙知をテキスト化せよ」――AI に渡す
GUIDELINES.md
はそのまま人にも有用なドキュメントになる、という発見に共感が集まる。費用感への関心――「サブスク前提だと“無料で始めるプログラミング”が難しくなる」という指摘も。ツール選定がキャリア選択に直結する未来を想像する声が上がりました。
5. まとめ – 常に “教え子” を育てる気持ちで
今回のライブ実況で最も響いたのは、soundTricker さんの次の言葉でした。
「AI との付き合いは、部下育成に似ている。何を任せ、どこで口を出し、失敗したら潔く捨てる――。 そのサイクルを高速で回せる人が、最終的に最速でコードを届ける」
Junie はプランナーとして、Gemini Code Assist は相談役として、それぞれに個性があります。万能ではありません。しかし ガイドラインを与えれば与えるほど賢く動き、次のタスクを見据えた“思考”を共有してくれる。
感想 – “暗黙知の外部化”こそ次世代開発の鍵
46 分の録画は、私たちに二つの宿題を残しました。
コードを書くスピード競争は、もはや「速くタイプできるか」ではありません。 「どれだけ AI に仕事を任せられるか」にシフトしました。 AI は完璧ではなく、時に古い情報でつまずきます。それでも、人と同じく「教えれば伸びる」存在です。ガイドラインを書き、会話し、フィードバックを返す。この営み自体が 開発者をメンター役に引き上げる――それが本イベント最大の学びでした。
次回、自分の IDE を開いたときはぜひ思い出してください。 「AI に任せるための 30 秒」を惜しまないか?それが、1 時間後・1 週間後・1 か月後の生産性を大きく変えるはずです。
開発ライブ実況 #10 AI開発支援ツール体験レポート
はじめに – “録画×実況”でのぞくリアルな開発風景
「他のエンジニアはどうやってコードを書いているのか?」 そんな素朴な好奇心に正面から応えるのが 開発ライブ実況 シリーズです。第10回となる今回は、Google Developer Expert の soundTricker さんが個人プロジェクトを進める様子を録画し、その場で本人と実況陣(vvakame さん、sinmetal さん)が突っ込みを入れながら再生しました。 テーマは JetBrains 製 AI コーディングエージェント「Junie」 と Google 製コーディングアシスタント「Gemini Code Assist」。両者を同時に使い分け、React フロントエンドと Python FastAPI バックエンドをゼロから立ち上げる 46 分間を追体験できる構成です。
1. ツール概観 – “エージェント”と“アシスタント”の違い
Junie
JetBrains IDE に統合された タスク駆動型エージェント。
指示を与えると自らプランニングし、ターミナル操作・ファイル生成・テスト実行まで“自走”。
プロジェクト直下の
JUNIE_GUIDELINES.md
を常時参照し、ガイドラインを守った上でコードを提案。ブレイブモードを有効化するとユーザ確認なしで変更を進められる。
Gemini Code Assist
Gemini モデルを IDE 内チャット・インライン補完に最適化した 対話型アシスタント。
実ファイル作成やシェル操作は行わず、コード片や改善提案をその場で提示。
近頃は日本語理解も向上。ただし新機能への追随は VS Code 版が先行しがち。
soundTricker さんは「長いタスクは Junie、ピンポイントの修正・相談は Gemini」と使い分け、さらに場合によってはブラウザ版 Gemini や Claude も組み合わせているとのことでした。
2. 実況付き開発ハイライト
時間 | 主な出来事 | 見どころ |
---|---|---|
0–10 min | プロジェクト初期化、
設置 | 複数ディレクトリを持つモノレポ構成で Junie がどこまでガイドラインを参照できるかを実験 |
10–25 min | React + TailwindCSS v4 セットアップ | 新バージョンの知識不足 を Junie が露呈。最新版の手順を事前にコンテキストとして与えることで回避 |
25–35 min | FastAPI モデル・エンドポイント自動生成 | Junie が CRUD 用サービス・テストコードまで一括生成。“1 セッションで複数タスク並列依頼” という使い方が披露される |
35–40 min | Gemini でダークモード切替 UI を相談 | チャット欄に「回答が長い!」と嘆く場面も。
に「簡潔に」と書くと出力が締まるコツが共有 |
40–46 min | 仕上げ・手動微調整 | Junie 生成コードを人間がチェックし、不要ファイルを削除してコミット。 「気に入らなければ捨てる潔さ」 が印象的 |
実況者二人は「部下に仕事を振る感覚に近い」「思ったより疲れる」と率直な感想を漏らしつつも、一発ビルド成功率の高さに舌を巻いていました。
3. Q&A ダイジェスト
質問 | 回答要旨 |
---|---|
Q. 有料 IDE を選ぶメリットは? | デバッガや定義ジャンプなど “素の開発体験” がまず段違い。AI 連携では IDE 内シンボル解析を Junie が活用するため、 「一発でコンパイルが通る率」が高い 。 |
Q. Python の仮想環境は何を使えば? | ツール差より「プロジェクトで どう操作するかを
に明示 」が重要。Junie/Gemini に徹底させるための“作法共有”が本質。 |
Q. Junie と Cursor(Claude)どちらが良い? | 長文プロンプトが得意な人は Cursor も強力。ただ Junie は エージェント型でプランニングが秀逸 なため、タスクを丸投げしたい時に向く。 |
Q. 作業を中断・再開するコツは? | GitHub Issue とリンクさせて「途中状態を説明できる URL」を AI に渡すと良い。逆に “ワンショットで終わらせ、気に入らねば捨てる” という割り切りも有効。 |
Q. 日本語と英語、どちらで指示すべき? | Gemini 系は日本語でも 80 % 以上通る。英語指定で +20 % 精度が上がっても、 英文を考えるコストとのトレードオフ を見極めるべき。 |
4. 視聴者の気づきとリアクション
「プロンプトは A4 1 枚も要らない」――短い指示でも Junie が補完してくれる様子に驚きのコメント多数。
「暗黙知をテキスト化せよ」――AI に渡す
GUIDELINES.md
はそのまま人にも有用なドキュメントになる、という発見に共感が集まる。費用感への関心――「サブスク前提だと“無料で始めるプログラミング”が難しくなる」という指摘も。ツール選定がキャリア選択に直結する未来を想像する声が上がりました。
5. まとめ – 常に “教え子” を育てる気持ちで
今回のライブ実況で最も響いたのは、soundTricker さんの次の言葉でした。
「AI との付き合いは、部下育成に似ている。何を任せ、どこで口を出し、失敗したら潔く捨てる――。 そのサイクルを高速で回せる人が、最終的に最速でコードを届ける」
Junie はプランナーとして、Gemini Code Assist は相談役として、それぞれに個性があります。万能ではありません。しかし ガイドラインを与えれば与えるほど賢く動き、次のタスクを見据えた“思考”を共有してくれる。
感想 – “暗黙知の外部化”こそ次世代開発の鍵
46 分の録画は、私たちに二つの宿題を残しました。
自分の頭の中にだけある前提・規約を文章化する勇気
AI が読める粒度でプロジェクトを整える習慣
コードを書くスピード競争は、もはや「速くタイプできるか」ではありません。 「どれだけ AI に仕事を任せられるか」にシフトしました。 AI は完璧ではなく、時に古い情報でつまずきます。それでも、人と同じく「教えれば伸びる」存在です。ガイドラインを書き、会話し、フィードバックを返す。この営み自体が 開発者をメンター役に引き上げる――それが本イベント最大の学びでした。
次回、自分の IDE を開いたときはぜひ思い出してください。 「AI に任せるための 30 秒」を惜しまないか?それが、1 時間後・1 週間後・1 か月後の生産性を大きく変えるはずです。
Yardでは、AI・テック領域に特化したスポットコンサル サービスを提供しています。
興味がある方は、初回の無料スポットコンサルをお申し込みください。
また、資料請求やお問い合わせもお待ちしております。テック領域の知見を獲得し、事業成長を一緒に実現していきましょう。
Read next
Loading recommendations...