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20代で年収800万円最速RTAとその罠 イベントレポート
2025 年6月3日、Forkwell主催のオンライン勉強会「ITエンジニアの転職学 – “20代で年収800万円最速RTA”と“その罠”」が配信されました。 司会を務めた髙塚さんが「#ITエンジニアの転職学」を呼びかけると、X(旧Twitter)のタイムラインには早々に視聴者のリアルタイムメモが流れ、配信画面横のSlidoには質問が雪崩れ込む──そんな熱量の高い夜でした。
メインスピーカーは株式会社Grooves Forkwell ドメインエキスパートの赤川朗さん。14 年以上にわたりエンジニアのキャリア支援に携わってきた“キャリアオタク”が、 「学歴・大企業経験なしでも20代で年収800万円」 に到達した25人への徹底取材をベースに、再現性のある行動特性と落とし穴を解説しました。
データで読み解く「上位数%」のリアル
赤川さんはまず、Forkwell登録者1万6千人の年収分布グラフを提示。20代後半の中央値は約450万円、上位10%で700万円、**800万円は上位5%**に相当することを視覚的に示しました。 「知的好奇心が高いエンジニアという母集団の中でさらに数%。到達できれば“人材市場のボーナスステージ”に入る」(赤川さん)という言葉に、コメント欄がざわつきます。
25人の軌跡に共通した4タイプ
取材で浮き彫りになった最速到達者のキャリアパターンは、大きく次の4類型。
タイプ | 特徴的な行動 | 代表的な到達ルート |
---|---|---|
ビルダー | 重要プロジェクトを完遂し社内昇格 | 小規模SIer → 自社サービスでPJTリード |
リーパー | 高年収企業へ大胆に“飛び移る” | SES → メガベンチャーでスキル換金 |
ファウンダー | 創業フェーズから事業成長にコミット | スタートアップ初期参画 → 上場前に800万 |
セレンディピティスト | コミュニティで偶然の好機を掴む | 技術イベント登壇 → リファラル入社 |
4タイプともに 「圧倒的な行動量」と「環境選びの嗅覚」 が共通項でした。
最速24歳、到達ストーリー
インタビューで最年少RTAを達成したのは高卒・職業訓練校出身のモバイルエンジニア。
19歳でSES入社(年収300万円未満)
21歳で上場前のメルカリに転職(360万円)
24歳でチームリードに抜擢され年収800万円到達
鍵になったのは 「採用目的の勉強会でCEOと直接話し、事業の未完成さにワクワクした」 という一瞬の判断。赤川さんいわく「リスクを取って“まだ名前のない領域”に飛び込む勇気が、レバレッジを最大化させた好例」です。
RTA達成者に共通する4つの習慣
プライベート学習を日課化平日1〜3時間、休日は半日以上。業務で触れない基礎理論を自学。
アウトプットを継続し“売り込む”反応がなくても技術ブログ・登壇を続け、自分を見つけてもらうのではなく 「選ばせる」 姿勢。
仕事は信頼獲得の舞台障害対応や横断課題など“嫌われ仕事”に手を挙げ、仲間の心理的負債を率先して解消。
当たり前の水準が高い環境を選ぶ「優秀な同僚がいる」「失敗が許される」場に身を置き、学習効率をブースト。
RTAを阻む4つの罠
罠 | 典型パターン | 回避のヒント |
---|---|---|
学習の闇鍋化 | 流行技術をつまみ食いし基礎が欠如 | まずCS基礎とアルゴリズムを固める |
働き過ぎによるバーンアウト | 20時間労働を数年続け体調崩壊 | 睡眠と運動を“投資”と捉える |
長期視点の欠如 | 1年未満で転職を繰り返し実績が断片化 | 2〜3年で成果物を“物語”化して残す |
年収フォーカス過剰 | 内容を吟味せず高額オファーへ即決 | ポジションの成長余地と文化を確認 |
Q&Aハイライト
Q. 地方在住でもRTAは可能?
赤川「可能です。コロナ禍以降フルリモートの求人が爆増し、東北在住の方でもSREで800万円に到達したケースがあります。地理よりも“評価制度が整う企業か”を見極めてください。」
Q. フロントエンド専業だと不利?
赤川「専門枠は減少傾向ですが、競合も減っています。深い専門+事業理解を武器にすれば上位レンジを狙えます。」
Q. 子育て期間でキャリアが止まるのが不安
赤川「焦らなくて大丈夫。早く子育てを経験すると30代前半で再び時間が生まれます。ライフイベントを“ずらし”と考え、中長期的に挽回プランを描きましょう。」
Q. 無職になって勉強にフルコミットはアリ?
赤川「貯蓄の減少は判断力を鈍らせます。 “稼ぎながら学ぶ”環境に移るほうが現実的です。」
まとめ ― “上位数%”へのプレイブック
学ぶ→発信→信頼獲得→環境更新 のループをどれだけ高密度で回せるかが勝負所。
20代は“探索期”。量と失敗を恐れず“自分のアンテナ”を仕込むことが、30代の飛躍を決める。
年収は「点」ではなく**“分布”**。一時のオファー額ではなく、上限を引き上げる成長環境を選ぶ。
生成AIの台頭で“名前のない領域”は毎年生まれる。空席を見つけたら誰よりも早く座る勇気を。
編集後記
カメラ越しに赤川さんの言葉を聞きながら、「これはエンジニア個人の攻略本であると同時に、企業が才能を活かす設計図でもある」と感じました。 高い給与を払える組織設計、アウトプットを歓迎する文化、失敗を価値に変える評価制度──これらが揃えば、 “学歴も地理も関係なく人が育つ” ことを25人のケースが証明しています。
技術コミュニティに身を置く私たちDevRelは、こうした実例を 「伝播力のあるストーリー」 に変えて届けるのが役目。誰かの次の一歩を後押しし、企業側には環境を整えるインセンティブを生む。その循環こそが、日本のエンジニアリングシーンを底上げすると確信しています。
本レポートが、挑戦をためらう誰かの背中をそっと押せたなら幸いです。
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