🖼️
「やってみよう Adobe Firefly!Photoshopの生成AI機能で商品画像の背景を演出」レポート
2025年5月20日、オンラインにて開催された「やってみよう Adobe Firefly!Photoshopの生成AI機能で商品画像の背景を演出」は、Adobe Fireflyの新機能を実際の制作プロセスに組み込みながら、Photoshopで商品画像の背景を生成し、思い通りのイメージを作り出すワークフローを学ぶ勉強会でした。Fireflyを使ったことがない人から、実務活用を検討しているデザイナーまで、幅広い参加者が集まり、充実したワークショップとなりました。
概要
イベントでは、Photoshopの「生成塗りつぶし」機能を使いながら、下記のステップを通して商品画像の背景を仕上げる流れが紹介されました。
Photoshop の生成塗りつぶしとは 基礎的な操作と背景生成の可能性
商品画像の背景を生成する AIによる背景生成のプロンプト指定、活用法
背景に要素を追加・削除する 部分的にオブジェクトを生成または削除して調整
画像をデザインに活用する 生成した素材をレイアウトに落とし込む実例
構図を指定して背景を生成する 生成塗りつぶし機能で構図を制御する方法
講師としてAdobeの轟啓介さんが登壇し、MCをアクセンチュアの木村優子さん、Q&A役をタマケンさん、生徒役を内藤一葉さんが担当。実際に生徒役が課題を進める様子を見学しながら、視聴者もワークショップキットを用いて同じプロセスを追体験できる形式でした。
セッションの流れ
1. オープニングとワークフロー紹介
冒頭では、MCの木村さんが番組の進め方を説明し、ワークフロー全体の概要が示されました。続いて轟さんからは、Fireflyキャンプのコンセプトと今回のゴールが語られ、Photoshopにおける生成AIの活用がどれほどの時短・効率化をもたらすのかが熱っぽく紹介されました。
特に、Fireflyの「生成塗りつぶし」機能を利用すると、これまで手動で行っていた「複雑な背景の合成」や「商品画像の周辺演出」が驚くほど簡単になるとのこと。ワークショップでは、講師がPhotoshopの画面を共有しながら、ビフォー・アフターを比較してAIの強みを具体的に示していたのが印象的でした。
2. 実演:商品画像に背景を生成する
生徒役の内藤さんが、事前に用意された商品写真をPhotoshopで開き、生成塗りつぶし機能を使って背景を生成。ワークショップキットには練習用の素材と手順書が付いており、参加者は同じ素材を手元で扱いながら学べるようになっていました。
反射や写り込みの軽減 一例として、パッケージの表面に強めの光が映っているシチュエーションでも、カメラロー(Camera Raw)の「反射の削除」機能と組み合わせることで、余分な写り込みをかなり抑えることが可能でした。
追加要素の生成 背景にオブジェクトをもう1つ加えたい場合、たとえば「自然なテーブルの上に花びらを散らす」イメージを作りたいなら、生成塗りつぶしパネルで花びらを指定すれば良いとのこと。Photoshopが自動的に遠近や質感を推定し、それらしい花びらを合成してくれるデモは会場からも好評でした。
3. 背景の調整と構図指定
続いて、 「構図を指定して背景を生成する」 方法が解説されました。新機能として、ざっくりとしたシルエットや手描き風のラフ画像を利用し、その形状情報を参照してAIが背景を生成できます。たとえば、パッケージ写真の周囲にチョコレートのとろみを追加したいとき、ラフで塗りつぶしたシェイプを参照させるだけで、どろりとしたチョコレートが自然に背景へ流れ込んでいる風合いを作り出せます。
Q&Aセクション
イベント中に寄せられた質問や、司会の木村さんからの投げかけに対して、タマケンさんが次々と回答する場面がありました。印象に残った主なQ&Aをいくつか取り上げます。
Q1: 「削除ツールとは何が違うんですか? ‘生成塗りつぶし’と単なる削除は別物なのでしょうか。」
A1 (タマケン): 削除ツールは、従来からあるコンテンツに応じた塗りつぶし等を発展させた機能です。背景が比較的シンプルな場合には非常に高速かつ自然に消せるのですが、複雑な背景や大きなオブジェクトを消す場合などは「生成塗りつぶし」のほうが結果が良いケースも多いです。状況に応じて両方を使い分けるのがコツですね。
Q2: 「カメラローで反射を消すって、実際どこまで対応できるんでしょう?たとえば鏡みたいな強い写り込みもいけますか?」
A2 (タマケン): 鏡のように鏡面反射が大きいものは、まだ100%完璧というわけではありません。ただし、ガラス越しの軽めの反射ならきれいに消せる例が増えてきています。完全に鏡と同じものは苦手そうですが、今後のアップデートでさらに精度が上がるかもしれません。
Q3: 「他にどんな素材が生成できるのですか?人間の手や複雑な金属の構造物などでもいけます?」
A3 (タマケン): 自然物はかなり得意です。チョコレートのような流動体も形が自由度高いほど生成しやすいですね。逆に幾何学形状や文字が絡むような素材は、状況によって精度に差があります。特に商品ロゴなどは再現度がまだ安定しないので、別途レタッチで調整することをおすすめします。
まとめ
今回のワークショップでは、Photoshopの「生成塗りつぶし」機能を活用し、商品画像の背景を短時間で整える手順がじっくり解説されました。ラフで構図を指定するやり方や、部分的に生成AIを使うテクニック、そして仕上げには従来の削除ツールやコンテンツに応じた塗りつぶしを組み合わせるなど、「AIと手作業のハイブリッド」がこれからの標準ワークフローになっていくだろうと感じさせる内容でした。
さらに、Adobe FireflyはPhotoshopだけでなく、Camera RawやIllustratorなど多数のアプリとの連携が進化中とのこと。今回紹介された便利機能は、将来もっと多彩な応用が期待できそうです。
イベントを通して感じたこと
Firefly登場の直後は、「画像生成AIで大丈夫かな?」と半信半疑だった人も、イベントの丁寧なデモを通じて、一気にイメージが膨らんだのではないでしょうか。 実際のデザイン現場で役立つかどうかが最大の焦点ですが、今回のステップ形式ワークショップで提示されたフローは、とても実践的でした。とにかく“まずはAIに任せ、あとで部分修正を手動で行う”という発想で、かゆいところを素早く埋める点がFireflyの強みだと感じました。 またQ&Aで示されたように、使い分けや微調整は依然としてデザイナー自身の判断に委ねられます。しかし、逆に言えば“判断する余白”こそがクリエイティビティの源泉であり、そこをAIがうまくサポートしてくれることで、表現の可能性が一段と高まるのだろうと改めて実感しました。
次回のイベントやワークショップでは、より高度な操作や、Illustratorとの連携、さらにはアニメーションなどの応用編が期待されるとのこと。これからもAdobe Fireflyは進化を続け、デザイン作業のハードルを下げてくれそうです。今回参加できなかった方も、動画アーカイブやまとめページを活用して学んでみてはいかがでしょうか。
Yardでは、AI・テック領域に特化したスポットコンサル サービスを提供しています。
興味がある方は、初回の無料スポットコンサルをお申し込みください。
また、資料請求やお問い合わせもお待ちしております。テック領域の知見を獲得し、事業成長を一緒に実現していきましょう。
Read next
Loading recommendations...