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Power Automate 多段階承認を徹底解説! レポート
公開
2025-03-30
更新
2025-03-30
文章量
約2786字
2025年3月14日、オンライン(Zoom)形式で開催された「Power Automate 多段階承認を徹底解説!」では、Power Automateにおける承認フローの基本から応用まで、特に「多段階承認」に焦点を当てた具体的な手法が紹介されました。
主催は RPACommunity(Power Automate 支部)で、セミナー形式ながら講師との双方向コミュニケーションもしっかり確保されたのが印象的でした。
どんな内容が語られた?
メインテーマは「Power Automate を使った多段階承認フローの仕組みと実装」です。承認フローと言えばシンプルな1段階承認の例は多く見かけるものの、現場で実際に起きるのは「1次→2次→最終承認…」のように複数ステップを踏む場面がほとんど。今回はそこにフォーカスし、Power Automateでどうやって多段階承認を組み立てるか、ハンズオン感覚で徹底解説されました。
セミナーの流れ
1. オープニング / 最新情報シェア
はじめに運営スタッフが登壇し、RPACommunity全体の最新情報を共有。特にPower Automate関連のコミュニティイベントや、各支部の動きがわかりやすく紹介されました。参加者はチャットを通じて質問・雑談を交わしながら、気楽な空気のまま本編へ。
2. セミナーセッション「多段階承認を解説!」
ここからは株式会社BizOptimarsのTAKAI MIYU(別名: 百合宮 桜)氏が登壇。もともと事務職からPower Platformエンジニアに転身したという経歴を持ち、現在はBizOptimarsでPower Platformを活用した業務改善支援やコミュニティ企画を担当しているとのこと。どのように多段階承認を実装すればいいのか、デモを交えながら話が進みました。
Power Automateの承認コネクタとは?
承認コネクタを使えば、フローの途中で「承認/却下」の操作ができる仕組みを標準で組み込める
チームズやOutlookで承認依頼が通知され、ボタン1つで承認可否を回答するだけ
コネクタとしては「開始して承認を待機」「承認を作成」など4つのアクションがあり、それぞれ目的に応じて使い分ける
最初に承認コネクタの概要が説明され、特に「多段階承認フローを組み立てるには、どのアクションを使うのか」が強調されました。
連続した承認(多段階承認)の仕組み
「承認を作成」だけでは、承認結果(承認/却下)をフローに戻せない
「開始して承認を待機」ならフロー内で承認結果を扱える
「多段階承認」は「連続した承認」を選ぶことで1次→2次→…と順番に進められる
実際に画面を見せながら、承認ステップを追加するだけで多段階を実現できる様子が紹介されました。たとえば「1次承認者2名→いずれか1名が承認すれば2次へ進む」「どちらか1名が却下したら即却下」などの仕様がデフォルトで備わっている点を丁寧に解説。
承認データはすべてDataverseに格納される
「承認テーブル」「承認依頼」「承認応答」「承認ステップ」の4テーブルをDataverseが保持
多段階承認を可視化・分析したいならDataverseのデータを参照する必要がある
Dataverseを活用する場合はプレミアムライセンスが必要なので注意
まさに「Power Automateの承認機能は裏側でDataverseが活躍している」。その仕組みを把握すれば、社内システムとの連動や高度なレポーティングも可能になる、と語られていました。
3. 質疑応答
セッション後にはQ&Aが行われ、参加者からは次のような質問が多く出ました。
Q. 「連続した承認で途中段階の結果を、ほかのチームメンバーも知りたいのですが?」 A. Dataverseのテーブルを参照する仕組みを作るなどの対策が必要。標準の通知は「申請者と承認者」しか届かない。
Q. 「承認期限を30日超にしたい場合は?」 A. 『開始して承認を待機』アクションは30日のリミットがある。超えるなら別途仕組みを考える必要がある。
クロージング
最後に運営スタッフがコミュニティ活動の案内や、今後のイベント情報を告知して終了。リアルタイムのチャット欄では、参加者同士が「まさに多段階承認やりたかった!」「Dataverseライセンスの考え方が参考になった」など、盛り上がりを見せました。
全体を踏まえた感想:多段承認に潜む“Dataverse”の重要性
今回のイベントを通じて改めて感じたのは、「多段階承認は非常にシンプルなUIで実装できるように見えて、裏ではDataverseがしっかりデータを持っている」という点です。作るだけなら数分で組める一方、本格的な運用に入ると「途中経過の可視化」「承認履歴のレポート」「期限超過時の扱い」などが論点になるため、Dataverseをどう使うかの検討は避けて通れません。
Power Automateは「誰でも簡単に自動化フローを作れる」イメージがありますが、こうした多段階の要件に踏み込むときは、データ管理やアクションのしくみを把握することが大切だというメッセージが本イベントでは強く発信されました。営業フローや購買申請など、現場で使うと必ず多段階承認が要求される場面に対して、有力なソリューションとなり得るでしょう。
今後への期待
多段階承認と他のPower Platform機能(Power AppsやSharePoint連携など)をどう組み合わせる?
Dataverseを使うことで可能になる拡張例(パワーバイアイとの連動で可視化など)
30日制限をどう超える?
こうした次のステップを、参加者からの質問や補足情報でさらに深掘りする声が上がっていたのが印象的でした。 まさにコミュニティ活動ならではの“知見共有・ノウハウ蓄積”が進んでいると言えます。
まとめタイトル: “承認コネクタ”で仕組みを制する!手軽なのに奥深い多段承認の世界
「Power Automateで多段階承認を徹底解説!」は、いかにも難しそうなワークフロー構築を最小限のステップで実装できることをデモで証明しつつ、忘れてはならない運用面の要点をカバーする、非常に実践的な勉強会でした。
承認フローは企業・組織のあらゆる場面に登場するだけに、「Power Automate本来の簡易性」と「Dataverseを使った本格的な情報管理」のバランスをどう取るかが成功のカギになりそうです。参加者の多くが「さっそく自社フローで試してみたい!」と思えたはず。今後もRPACommunity・Power Automate支部のイベントに注目していきたいところです。
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