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GitHub Copilotの最新アップデートを探る - VS Code Meetup #34 レポート
公開
2025-03-18
更新
2025-03-18
文章量
約3752字
2025年3月17日、VS Code Meetupの第34回配信がオンラインで開催されました。今回のテーマは、話題沸騰中のGitHub Copilot。ここ数か月の間に続々と投入されている新機能を、実際に触りながらキャッチアップしようという内容で、VS Code Meetupのオーガナイザー3名がじっくりと紹介・議論しました。
GitHub Copilotは、登場以来エンジニアのコーディング体験を大きく変え続けている注目のAIペアプログラマです。本レポートでは、今回のMeetupで取り上げられたGitHub Copilotのアップデート項目や活用Tipsなどを整理してお伝えします。
Meetupの全体概要
VS Code Meetupは、Visual Studio Codeをこよなく愛する有志メンバーが定期的に開催しているオンラインコミュニティイベントです。 今回の第34回では、「GitHub Copilotの最新アップデートを探る」をテーマに、以下のような流れで配信が行われました。
オープニング Meetupの趣旨とオーガナイザーの簡単な自己紹介
GitHub Copilot エージェント機能のデモ・解説
Copilot最新アップデート(エディット機能、インデックス、レビュー関連など)の紹介
Q&Aや雑談
クロージング
集まった参加者は、YouTube LiveやSNSのハッシュタグ(#vscode_jp など)を通じて気軽に質問・コメントを投げられるスタイル。イベント中も、「こんな使い方があるのか」「エージェント機能すごい」「アップデート多すぎてついていけない」など、リアルタイムで盛り上がりを見せました。
1. GitHub Copilotエージェント機能の紹介
まず1つめの大きなアップデートとして、Copilotエージェント機能に注目が集まりました。
エージェント機能とは、ユーザーの指示をただ単に1問1答で返すのではなく、「ユーザーが作りたいもの」を自律的に推論し、複数のステップを自動で踏んでくれる拡張機能の総称です。たとえば、Pythonのアプリケーションをゼロから構築したいと伝えると、仮想環境(venv)の作成、必要パッケージのインストール、フォルダやファイルの新規生成、そしてAPI実装やテストまでを段階的に実行してくれます。
Meetupでは実演として、Python + FastAPIで簡単なToDoアプリを作るタスクをエージェントに丸投げ。対話型で進めていくと、プロジェクトのひな形からDBモデル定義、エンドポイント実装、さらにはテスト用のリクエストファイル作成などを自動生成し、あっという間に動くアプリが完成しました。
とはいえ、まだインサイダーズ版のVS Codeで試験的に使える機能のため、速度が遅かったり、大規模な手戻りがある可能性も否定できません。開発ツールとしては夢のある機能ですが、実務投入にはもう少し検証が必要との印象が語られました。
2. Copilotエディット機能の進化
次に取り上げられたのがエディット機能のアップデートです。Copilotには、差分や修正ポイントを指示することでまとめて書き換える「エディット機能」がありますが、最近はこれがさらに高度化しています。
カスタムインストラクション設定 Copilotへの共通プロンプトを指定し、いつでも自分なりのコーディングスタイルやリファクタリングルールを参照してもらえる機能。VS Codeの
settings.json
に書いたり、github-copilot-instructions.md
などで管理したり、使い方はいろいろ。 たとえば「常にPythonの型ヒントをつけて」「社内の命名規則を厳守して」などのルールを書いておけば、Copilotが提案するコードにもそれが反映されやすくなるとのこと。ファイルのインデックス化 Copilotがリポジトリ全体のシンボル情報を把握するためのインデックス機能があり、従来はファイル数やリポジトリ数の上限がありましたが、これが緩和されてきました。大量のコードでも適切に参照し、より高度なサジェスションやエディットを行ってくれるように期待が高まります。
ネクストエディットサジェスション(NES) 自分が変更している箇所以外にも、「関連しそうな箇所も合わせて編集したほうがいいんじゃない?」とCopilotが提案してくれる機能。コードの整合性を保つために広範囲を一挙にリファクタする際には便利で、「このままコミットすると変数の命名に矛盾が出る」といった細かい問題を事前に教えてくれるとのこと。
3. GitHub上でのCopilot活用
VS Codeでのエンジニアリングを離れ、GitHub.com上でもCopilotがパワーアップを続けています。Meetupでは、次のような機能が紹介されました。
PR単位のコードレビュー プルリクエストに対して、Copilotが自動レビューコメントをくれる機能。細かなコーディング規約の違反や、不要なデバッグコードの取り残しなど、人間が見落としがちなところを機械的に指摘してくれます。 細かい指摘をあらかじめCopilotが吸収してくれることで、人間同士のレビューでは「設計やロジックの本質」に注力できるメリットがあるとのこと。
GitHub本体のUIにCopilotが統合 リポジトリやプルリクエストのページを開くと、サイドバーにCopilotが現れ、リポジトリ全体や差分に対する質問をチャット形式で行えるように。コードの意図をざっと理解したい時には、「このファイル群は何を実装しているの?」と気軽に聞くと概要をまとめてくれる。 特に初めて触るOSSや他チームのコードベースでも、Copilotによる「雑な疑問への回答」が得られるのは大きい、といった感想が共有されました。
4. 個人的に注目の新機能たち
Meetupの終盤には、ややテクニカルな機能・設定の話題や、さらに最新のプレビュー要素も取り上げられました。中でも印象的だったのは以下のようなポイントです。
Copilotによるリモートデバッグ支援 まだ挙動が安定していないが、VS Code上でのデバッグ構築を自動化する機能が登場している。デバッグ構成ファイルをAIが生成・編集し、ステップ実行まで誘導してくれる取り組みが進行中らしい。
画像ベースのサジェスション(Copilot Vision) 手書きのUIラフ図や外部のデザイン画像をチャットに投げ込み、そこから必要なHTML/CSS/Reactコンポーネントなどを自動生成する機能。まだ開発中でエッジケースも多いが、ハマればデザイン〜実装が大きく加速する予感がある。
こうした機能が「一瞬で完成度の高いコードを生成してくれる」とまでは言い切れない部分はありますが、それぞれが確実に開発体験を底上げするものとして期待されています。
全体を踏まえた感想:「自分のコーディング規約をCopilotに覚えさせよう」
今回のVS Code Meetupを通じて一番印象的だったのは、Copilotがエディター内外で日進月歩のアップデートを重ねているという事実です。
エージェント機能で一連のプロジェクト環境を自動構築してくれる様子は壮観であり、プルリクエストをCopilotが先に査読するフローは「人間のレビューの質を高める」効果が期待できるでしょう。
また、カスタムインストラクションやプロンプトファイルによって、自分たちのプロジェクト独自のコーディング規約・命名規則・設計ポリシーをCopilotに覚えさせてしまう、という運用スタイルがリアルに検討可能になってきたのも大きなトピック。毎回、人間が「うちのプロジェクトではココとココはこう書いて…」と苦労するのではなく、最初からAIアシスタントが守ってくれる時代がすぐそこに来ているといえます。
最後に──試しやすい今こそCopilotを活用しよう
GitHub Copilotは、有料プランだけでなく、無料枠から手軽に始められるようになり、VS CodeのInsiders版を使うことで最新機能にいち早く触れられます。
とにかくアップデート量が膨大で、今回のMeetupで取り上げたものも、ほんの一部にすぎません。だからこそ、自分で「何を作りたいか」をCopilotに語りかけ、都度フィードバックしながら試すことが大切です。
VS Code Meetupは今後も継続してこうしたCopilotや拡張機能の新機能を掘り下げていく予定とのこと。コミュニティの温かい空気の中で、最先端のVS Code体験やAIプログラミングの知見を共有し合うのは、開発者にとってとても刺激的な機会だと感じました。
もしこの記事を読んで「Copilot気になる」「自分もエージェント機能を使ってみたい」と思ったら、Insiders版のVS Codeを導入し、Copilotの拡張機能や設定を有効化してみるのがおすすめです。AIペアプログラミングの世界は想像以上に広がっています。
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