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【イベントレポート】AWSスキルを爆上げしたい若手クラウドエンジニア必見! Japan AWS Engineersアワード4部門を全制覇した開発組織が語る - 最速で成長するために、20代のうちに知っておきたい話
2024年10月30日に開催されたオンラインイベントは、若手クラウドエンジニアに向けて「いかにAWSスキルを爆上げし、実務で活躍しながら成長を掴むか」をテーマにしたもの。
登壇者はJapan AWS Engineersアワード4部門を全制覇した実績を持つTIS株式会社の開発組織「PAYCIERGE SoEチーム」を中心に、アマゾンウェブサービスジャパン(AWS)のパートナーソリューションアーキテクトの方も交え、AWS活用と組織づくりに関するリアルなノウハウが語られました。
ここでは、各パートのポイントをまとめつつ、“若手が伸びる組織”の秘密を一通り振り返ってみます。
Part1: 開発組織の概要説明 - PAYCIERGE SoEチームのご紹介
登壇者:
TIS株式会社 二出川 弘 氏
TISは決済や金融を中心とした大規模システムを扱う企業。その中で、PAYCIERGEという“キャッシュレス決済ソリューション”のブランドを運営し、高いセキュリティや大規模運用が要求される基盤をAWSで実現してきました。 二出川さんが所属するSoEチームは、2020年頃から本格的にクラウドネイティブな案件を推進。最初はわずか5名規模だったチームが、今や20名規模に拡大しながらJapan AWS Engineersアワードの複数部門を連続受賞するまでに成長したそうです。
AWSを活用した2つの軸
自社サービス(PAYCIERGE)基盤にAWSを導入 クレジットカード決済のように高い品質が必要な領域でも、クラウドネイティブの利点を活かす。
そこで培ったノウハウを外部顧客に提供 いわゆる“基盤サービス”として、PCI DSS準拠を含め、セキュアかつ拡張性の高いAWS基盤をパッケージ化。
組織文化のポイント
先進技術に積極挑戦(AIや自動構築、オブザーバビリティなど)
若手エンジニアが大きな裁量を持つ
AWSと深い協業を行い、開発効率を高める
こうした取り組みが評価され、SoEチームはアンバサダーやトップエンジニアズなど、AWSのエンジニアアワードを複数名輩出。その背景には、積極的にサービス強化活動を続ける姿勢があるのだと強調されました。
Part2: AWSメンバーによるセッション - 私がTISをサポートする中で見えてきたこと
登壇者:
アマゾンウェブサービスジャパン合同会社 石倉 徹 氏
AWSのパートナーソリューションアーキテクトとして、TISを技術面で支援してきた石倉さんが、クラウド活用を成功に導くポイントを紹介。
バイアスフォーアクション(Bias for Action) スピード重視でリスクを取るマインドが大事。とりあえず試し、手を動かすことで知見が得られる。
ツードア(Two-Way Door)の考え方 クラウドは後戻りがしやすく、計算されたリスクが取りやすい。大規模オンプレだと「やり直し」のコストが大きいが、AWSならば気軽に構成を変えたり、検証を重ねて最適解を探れます。
失敗を許容する文化 やってみてダメなら修正すればOK、という空気感が組織に根付くことでイノベーションが生まれる。
TIS SoEチームも、まさにこれらを体現して積極的なチャレンジを続けていたと石倉さんは語ります。失敗を恐れずスピーディに手を動かし、その成果をアウトプットする――結果、アンバサダーやトップエンジニアズが多く輩出され、チーム全体の成長ループが生まれている、と強調されました。
Part3: 若手メンバーによるセッション - 未経験からアワード受賞できたのはなぜか?
登壇者:
TIS株式会社 野澤 祐介 氏
新卒4年目でAWSトップエンジニアズとオールサーティフィケーションエンジニアズをW受賞したという野澤さん。文系ダンスサークル出身ながら、わずか数年で大きく成長できた要因として、以下のポイントを挙げています。
基礎スキルを早期に習得できるカリキュラム
アプリが動くところまで構築してみる。
新人のうちから業務改善プロジェクトを丸ごと担当。 → 課題分析からアーキテクチャ設計、セキュリティ対策まで一貫して経験し、実践力を得る。
若手の頃から大きな裁量を持ち、幅広い範囲をカバー
“運用”や“セキュリティ”領域を含むインフラ面での設計・実装を1人で担当。
AWSのIaaS要素だけでなく、サーバレスや高品質運用に必要な知識を総合的に身につける。
挑戦を促す文化
先進技術(生成AIやデータ加工など)を若手がリーダーとなって試せる。
失敗しても問い詰められず、成功したチャレンジは大きな評価や実績につながる。
これらにより、3年目でAWSトップエンジニアに認定されるまでに成長できたと述懐。「20代のうちに“主担当”としての経験を積めるのは本当に大きい」と強調していました。
Part4: 若手メンバーによるセッション - 技術領域深堀トーク
登壇者:
TIS株式会社 安冨 良映 氏
文系出身で3年目にAWSジュニアチャンピオンズとなった安冨さんが、AWS環境の自動構築システムを若手中心に作り上げた話を解説。
自動構築が必要な背景 PAYCIERGEソリューションは扱う案件数・規模が拡大。構築手間が膨大になる前に自動化で効率化&人為的ミスの防止を図る必要がある。
技術構成
AWS Step Functionsを中心に、LambdaやAWS Amplifyなどサーバレスを組み合わせて実装。
Excelに入力された設計情報からクラウドフォーメーションテンプレートを生成→スタックを自動構築する流れを構築。
失敗と学び
当初はスピード優先で進めた結果、ユーザビリティが不足。後からチーム全体で「どう使われるか」を考え直し、ブラッシュアップ。
Excel処理の実装やマッピングの管理など、地道に課題を解消しながら完成度を高める過程で技術力・課題解決力ともに向上。
デモ映像では、Excelに記載した通信要件情報が自動的にCloudFormationテンプレートへ反映され、最終的にまとめてスタックが構築される様子が示されました。 「手を動かして試すことでこそ成長できる」との言葉が、若手エンジニアらしいチャレンジ精神を端的に表現していたのが印象的でした。
クロストーク & QA
イベント後半のクロストークでは、以下のようなトピックが飛び交いました。
“失敗を恐れない”組織はどう作る?
小さなチャレンジを積み重ね、成功・失敗を共有し合う。
経営層やリーダーが“失敗=悪”としない姿勢が必須。
未経験からどうAWSを学ぶか
まずは動かしてみてから学ぶ“バイアスフォーアクション”が肝。
周囲の先輩やAWS社員を巻き込み、必要に応じて質問する環境があるのが理想。
文化が生まれる一歩目は?
「これがあったら便利だよね」を形にしてみる → 組織に共有 → 次のアイデアへ。
はじめは小さな改善からでも十分に価値が生まれ、仲間を巻き込みやすい。
質問からも「自分の会社では失敗を許容されない」「どうやって環境を整えたか」など、切実な声が多かったのが印象的。 発表者たちは「最初は個人の行動が突破口になる」と助言し、やりたいことを少しでも試してみること、そしてそれを周りに見せることを勧めていました。
全体を踏まえたまとめ 〜若手が拓くAWSの未来〜
今回のイベントを通じて浮き彫りになったのは、“若手に裁量を与える”、“失敗を恐れずに試す”というポイントが、AWSのようなクラウド技術をフルに使いこなすうえで極めて重要だということです。
PAYCIERGE SoEチームが成長を遂げた道のりには、以下の大きなエッセンスが見えます。
チャレンジを加速させる仕組み
新人が業務改善ツールを丸ごと1人で作ってみる。
案件の要件定義からリリース運用まで、若手が率先して背負う。 → 実践の場を与えられるからこそ、知識だけで終わらずスキルが急伸する。
スピード重視でやってみる文化
「後戻り可能」というAWSの特性を信じ、あえてリスクを取りながらサーバレスや生成AIに挑戦。
失敗しても“なぜダメだったか”を共有し、そのまま次の改善につなげる。
支える組織の姿勢
マネジメント層がアドバイスやフォローを惜しみなく提供。
アウトプット(執筆や登壇)を応援し、チャレンジのモチベーションを高める。
AWS社員とも近い距離で連携し、新しいソリューションをスピーディに試せる。
こうした環境によって、「未経験からたった数年でAWSトップエンジニアズ」「文系出身で若手が生成AIをリード」「自動構築という先進的ツールの企画・開発を主導」などの事例が自然と生まれています。
クラウドは、技術的には後戻りがしやすく、スピーディに試せる世界。そして20代の若手だからこそ、失敗を糧にぐんぐん伸びる余地が大きい。TISのSoEチームの実例は、その可能性を象徴していたといえそうです。
「とりあえずやってみる」。クラウドならではの利点を本気で活かしながら、若手エンジニアがイニシアチブを取り、多様な成功・失敗を経験していく――そんな姿勢を真似してみるところから、AWSスキルを爆上げする道が見えてくるのではないでしょうか。
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