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【イベントレポート】RECRUIT TECH CONFERENCE 2025 プレイベント
公開
2025-02-20
文章量
約2808字
イベント概要
- イベント名
- 【開発事例多数】RECRUIT TECH CONFERENCE 2025 プレイベント
- 開催日時
- 2025年2月4日(火)19:00〜20:00(オンライン)
- 主催
- 株式会社リクルート
- 背景・目的
- リクルートの大型技術カンファレンス「RECRUIT TECH CONFERENCE 2025」のプレイベントとして開催。本編(2月19日・20日の2日間)に先駆けて、今年のコンセプト「技術を活かす現場力」を体現する現役エンジニアが、個性豊かなLT(ライトニングトーク)を披露。様々な開発事例や学びをシェアすることで、本編への期待感を高める目的があった。
LT #01:業務にも活きる!競プロのすゝめ
登壇者:岡本 滉平 氏(飲食・ビューティ領域エンジニア)
セッション概要
- きっかけ
- 岡本さんは金融系からリクルートへ転職。新たな言語・技術を学ぶために「毎日コードを書く」習慣として競技プログラミング(通称・競プロ)を始めた。
- 難易度の幅広さ
- 簡単な問題から難問まで揃ったオンラインサイトがあり、初学者でも気軽にチャレンジ可能。
- 業務活用のポイント
- 実装力アップ:毎日コードに触れることで、設計を考える→実装に落とし込む力が向上。
- 計算量意識: 競プロ特有の制約から、アルゴリズム設計やメモリ効率を意識できる。
- 基礎知識の獲得:データ構造・アルゴリズムが本質的に理解でき、業務でも複雑なライブラリや最適化を理解しやすくなる。
おすすめポイント
競プロはハードルが高いイメージがあるが、問題難易度が幅広く、「新しい言語を学びたい」「毎日コードを書きたい」 といったモチベーションにぴったり。
さらに 「業務に直結する基礎力」 も身につく。
LT #02:イラストでわかるRAGを用いたbot開発
登壇者:高橋 あおい 氏(学び領域エンジニア)
セッション概要
- RAG(Retrieval-Augmented Generation)とは
- 生成AI(例:ChatGPT)と検索システムを組み合わせる技術。巨大言語モデルの情報に加え、ローカルのドキュメントや社内情報を検索して答えを補強できる。
- ラングチェーン・LLMオブザーバビリティ
- ラングチェーン: 生成AIの開発を支援するフレームワーク。API呼び出し・プロンプト管理がしやすくなる。
- LLMオブザーバビリティ: AIがどんなクエリ・レスポンスをやり取りしたかログを取る/メトリクス化する手法が重要。
- 実際の活用例
- スタディサプリでのドキュメント検索Bot: アジールのManagedサービスを活用して、検索 + 生成AIでQAを行うBotを開発中。
- 社内の膨大なドキュメントにRAGを適用し、生産性向上・問い合わせ対応を効率化。
おすすめポイント
業務でAIを活用するなら、「RAG+生成AI」 という組み合わせが非常に強力。
検索システムをうまく噛ませることで自社独自のドキュメント等を参照し、社内QAやトラブルシュートの自動化を狙える。
LT #03:iOS未経験エンジニアがSwift Concurrencyの検証を行い、サービスリリースまで行った話
登壇者:関田 陸 氏(飲食・ビューティ領域エンジニア)
セッション概要
- 未経験からのスタート
- 入社当初は「if文すら戸惑う」状態だったが、ホットペッパービューティのiOS開発チームに配属される。大規模プロダクトゆえ、負債・複雑度を下げる課題に直面。
- Swift Concurrency導入\
- iOS 15〜に導入された「async/await」を使い、クロージャーベースの非同期処理を刷新。
- コールバック地獄の解消や、ネスト深度軽減に成功。コードの複雑度が大幅にダウン(循環的複雑度や認知度が50〜75%削減)。
- 自分の専門領域を作る関田さんは「Swift Concurrency」の導入を担当するなかで、「馴染みのないことに挑戦し、チームで一番詳しくなる」 を実践。結果、品質向上と自身の成長を両立できた。
おすすめポイント
「小さな範囲でもよいから、自分が一番詳しい領域を作る」 ことで、未経験エンジニアでも大きなプロダクト課題に貢献可能。async/await導入の事例はiOSエンジニア必見。
LT #04:プロダクトにより深く向き合うためのチーム分割事例 〜オーナーシップ強化による開発効率向上を目指して〜
登壇者:恒川 泰輝 氏(飲食・ビューティ領域エンジニア)
セッション概要
- ホットペッパービューティ APIチームの課題\
- メンバーが増える・機能が複雑化するほど、「馴染みのない領域」が多くなる。結果、調査コスト増&見積精度の低下に直面。
- チーム分割の狙い
- 認知負荷の軽減: 例えば「予約系」「サロン管理系」など領域を明確に分け、担当領域を絞る。
- オーナーシップ強化: 同じ領域を繰り返し回収することで、継続的に学習→改善が可能。
- 結果と考察
- 半数以上のメンバーが「馴染みのある領域が増えた」と回答。設計や品質改善がしやすくなった。
- 一方で想定外に広がる領域や、負荷が局所的に偏るケースもあった。定期的な振り返り・微調整が必要。
- チーム分割→システム分割 の順番が、現場に合った設計につなげやすいという知見を得た。
おすすめポイント
システムのモジュール設計とチームの構成を連動させる「逆行の法則」的発想。「まずは組織を分割して学び、システムも後から追従させる」 ことで、効率的な運用が可能に。
まとめ・クロージング
今回のプレイベントでは、4名のエンジニアがそれぞれ現場課題を解決した事例を紹介した。
「競技プログラミングを仕事に活かす」「生成AI×検索システムで社内ドキュメントを高度化」「未経験でもSwift Concurrencyを導入しコードの複雑度を下げる」「チーム分割とオーナーシップ強化で開発効率化」と、どれも「技術を活かす現場力」を象徴する内容となった。
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