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【イベントレポート】Devin使ってみてどうだった? ~活用事例と導入時のポイント~
公開
2025-02-20
文章量
約2497字

Yard 編集部
Yardの編集部が、テック業界の最新トレンドや知見について発信します。
2025年2月17日、オンラインにて開催された「Devin使ってみてどうだった? ~活用事例と導入時のポイント~」は、大注目のAIエージェント「Devin(デビン)」をテーマにした盛りだくさんの内容でした。
「開発現場の効率化・品質向上を支援するDevin」――しかし実際にはどんな場面で使えるの? どう使いこなすの? という疑問を持つ方も多いはず。
今回のイベントでは、Devinをいち早く試した方々が「導入後のリアル」を共有し、その成果から課題感、そしてDevinがもたらす未来までも語り合ってくださいました。
本レポートでは、イベントのダイジェストをわかりやすくまとめてお届けします!
Devinとは?
Devinは、AIによるエンジニアリング支援エージェント。
- コード生成・レビュー
- タスク提案
- 開発環境のセットアップ
- CI/CDの調整
など、多彩な業務を自動または半自動で行い、エンジニアの仕事効率を大きく引き上げます。
特に特徴的なのは「クラウド上に立ち上がる“Devinのマシン”」にリモートアクセスできる点。
VSCodeやシェル、ブラウザなどが完備された仮想環境上でDevinが自動的にコマンド実行やコード編集を行うため、ユーザー側はSlackなどチャットツールで指示を出すだけで作業が進んでいくのが大きな魅力です。
1. Devinのデモ(by 寺本さん)
イベントの序盤で実施されたデモでは、実際にSlackからDevinへ「ブログサイトを構築してほしい」と依頼し、
- GitHub上のMarkdown記事を取り込んで
- 静的サイトとしてビルド
- Pull Requestを作成
する流れがリアルタイムでお披露目されました。
デモのポイント:
- Slackで「〜して」と打つだけ:Devinは自動でコンテナ(マシン)を起動し、git clone・依存パッケージのインストール・ビルドなど一連の作業を実行。
- プルリクエスト作成&レビュー対応:修正が必要ならSlack経由で追加指示を出す → Devinが再びコード修正 → 再度PRを提出
- 開発者が席を離れていても自動で進む:まさに「デジタルな同僚」に仕事を任せるような感覚で、非同期に開発作業が進行
「想像以上に“自分で考えて”動く感じが面白い」「いつでもどこでも依頼できるため、隙間時間にタスクを投げ、戻ってきたら作業結果を確認できる」といった好印象の声が印象的でした。
2. パネルディスカッション
- 西尾泰和 @nishio (サイボウズ・ラボ株式会社 主幹研究員)
- 寺本大輝 @teramotodaiki (株式会社Helpfeel プロダクトエンジニア)
- 鹿野壮 @tonkotsuboy_com (Ubie株式会社 プロダクトエンジニア)
(1) Devin活用の成果と魅力
- タスクを“非同期”で進められる:
- ちょっとした思いつきをSlackですぐ依頼 → Devinが裏で作業 → 戻ってきた頃に結果が上がっている、というワークフローが非常に快適。
- 開発環境不要・動作確認まで:
- Devin自身がコンテナ内でVSCodeやブラウザを操作してくれるため、利用者はパソコンのローカル環境を汚さずに済む。
- コードの“民主化”:
- エンジニアでないスタッフでも小さな文言修正などをDevinに任せ、プルリクを起こすことが可能に。「開発作業のハードルが大きく下がった」という声が上がった。
(2) Devinの課題と実運用での気づき
- 秘密鍵や認証情報をうっかりプッシュ:
- Devinが誤って機微情報をテストコードに書き込んでコミットしてしまった事例が報告された。「すみません、消します」とデビが修正してプッシュし直す、という“素人エンジニアさ”にユーザ一同ビックリ。
- 大きすぎるタスクで4万円課金…:
- タスクを雑に振った結果、あまりに長時間&複雑な作業を続行 → 多額の課金が発生したケースも。
- 最適な運用ルール整備が必須:
- プライベートリポジトリで使う
- 大きいタスクは分割して依頼
- セキュリティ上の懸念(スクリーンショットやファイル共有の扱い)に要注意
- チーム内で「Devin用ガイドライン」を作り、対人コミュニケーション同様、しっかり教育が必要
(3) Devinがもたらす未来
- タスク分割を自動でこなす“マネージャーDevin”の台頭?
- いずれはAI自身が「他のAIエージェントに仕事を割り振る」形で大規模な開発を動かす可能性があると予測。
- エンジニアの仕事はさらに上位の創造・設計へ
- スケールアウトして増やせる“AIエンジニア”を活かしつつ、人間は “楽しく、創造的な領域” に集中できる世界に。
- 新しい働き方・コラボレーション文化
- Slackのチャット履歴により行動履歴がすべてテキスト化。属人的だったノウハウ・意図がチーム全体で共有しやすい状況を生み出し、「より強いチーム作り」が期待される。
Q&Aハイライト
今回、質疑応答でも多数の質問が寄せられました(一部抜粋):
- 「Devinを使うと月々いくらくらいかかるの?」
- 個人利用だと「250acu」分は含まれるが、使い倒すとあっという間に超過し重量課金になる
- 1回のタスクを小さく刻んで作業させるほうがコストを抑えやすい
- 「どんなタスクがDevinに向いてる?」
- 小規模でステップが明確なもの → 大得意
- 大きすぎ・あいまいすぎのタスク → 失敗しがち(課金も嵩む)
- 「セキュリティをどう担保する?」
- プライベートリポジトリ運用が基本
- 秘密鍵や機微情報をやり取りする際はルールを明確化する
- スクリーンショットの公開先も要チェック
など、多岐にわたり質問が飛び交い、大盛況に終わりました。
まとめ
今回のイベントを通して見えてきたのは、「Devinは圧倒的にエンジニアリングを加速する一方、まだまだ“子どもエンジニア”のような失敗もする」というリアルな姿。
使いこなし次第で4万円課金トラブルや機密情報漏えいなどのリスクがあるものの、導入がうまくハマれば開発体験やチームコラボを大きく変える可能性が大きいということでした。
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