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Salesforceを活用したDX戦略実践ガイド:カスタマージャーニー最適化事例と効果測定
公開
2025-02-09
文章量
約2781字

Yard 編集部
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はじめに
「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉がビジネスシーンで当たり前のように使われるようになりました。
とはいえ、実際にDXを進めようとすると、何から手をつければいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。
私自身、企業のDX推進に関わる場面で感じるのは、DXは単なるITシステムの導入ではなく、ビジネス全体の変革を意味するということです。
そんなときに大きな助けとなるのがSalesforceです。
顧客情報を一元管理するだけでなく、あらゆる部門が連携して顧客体験を高める仕組みをつくることができるため、DXの出発点としては非常に優秀だと感じています。
そこで本記事では、Salesforceを核に据えたDX戦略を進める際のポイントや、カスタマージャーニーを最適化するための具体的な手法、さらに効果測定の方法までを紹介していきます。
DX戦略にSalesforceを活用する意義
Salesforceの最大の強みは、顧客接点に関するさまざまな情報を統合し、活用できるところにあります。
たとえば、営業部門が商談情報を管理し、マーケティング部門がリード情報やキャンペーンを管理し、カスタマーサポートが問い合わせ履歴を管理するといった仕組みを、すべてSalesforce上で行うことが可能です。
このような情報の一元管理ができると、部門間の壁を超えたコラボレーションが生まれやすくなります。
営業担当者はサポート部門での問い合わせ履歴をチェックしながら提案に活かし、サポート担当者は商談状況を踏まえたうえでサポート対応を行う、といった動きがスムーズになるのです。
結果として、カスタマージャーニー全体を一貫性のある顧客体験に変えるための基盤が整います。
カスタマージャーニー最適化の具体的なステップ
顧客が商品やサービスを知ってからファンになるまでの一連の流れをカスタマージャーニーと呼びます。これを最適化するためには、以下のステップが有効です。
- 顧客ペルソナの明確化誰にどのような価値を提供したいのかを明確にします。ペルソナを具体的に設定することで、カスタマージャーニー上での課題やニーズを把握しやすくなります。
- タッチポイントの洗い出し顧客が企業と接触する可能性のあるすべてのポイントをリストアップします。Webサイト、SNS、店舗、問い合わせ窓口など、多岐にわたる接点をまずは網羅的に洗い出しましょう。
- 理想的なカスタマージャーニーの構築洗い出したタッチポイントを時系列で並べ、どのような体験を提供すれば顧客が満足し、最終的にはロイヤルカスタマーになってもらえるかを考えます。
- Salesforceを活用したデータ連携タッチポイントごとの顧客データをSalesforce上に集約することで、一人ひとりに合ったアプローチを自動化できます。メールマーケティングや問い合わせ対応など、可能な限りSalesforceで一元管理すると効果が高いです。
- 継続的な分析と改善施策を実行した後は、データを定期的に分析しながら改善を続けます。カスタマージャーニーは一度作って終わりではなく、常に最新の顧客ニーズに合わせてアップデートしていくものです。
Salesforce導入事例
実際に私が関わった企業の中には、従来はExcelで顧客リストを管理し、紙ベースで契約管理をしていたところがありました。
DXの必要性を感じながらも、システム導入に対する不安が大きく、なかなか踏み出せずにいたのです。
ところが、Salesforceを導入してみると、営業部門でのアポ取得率が向上し、サポート部門に届く問い合わせ内容も短期間で傾向分析ができるようになりました。
さらに、Salesforce上でカスタマーサクセスチームを立ち上げることで、アップセルやクロスセルといった新たなビジネスチャンスを獲得できたのです。
この変化は、単にITシステムを導入したからではありません。Salesforceを軸に、顧客体験をどう高めるかを全社で共通認識として持てたことが大きいと実感しています。
効果測定の指標と方法
DX戦略の成果を正しく評価するためには、定量的な指標を設けることが不可欠です。
以下のようなKPIを設定し、Salesforceで取得したデータを活用して分析するのがおすすめです。
- リード獲得数:マーケティング施策の効果を測定する基本的な指標。Salesforceではキャンペーンごとにリード数を簡単に追跡できます。
- 商談成立率(コンバージョン率):営業プロセスの効率化の度合いを示す重要な指標。提案数に対してどれだけ成約に至っているかを、セグメントごとに把握しましょう。
- 顧客満足度(CSAT)やNPS:サポート部門や顧客ロイヤルティを測る代表的な指標。定期的なアンケートや調査ツールとSalesforceを連携させると便利です。
- 顧客生涯価値(LTV):長期的な顧客との関係性を測定します。Salesforceの商談データや購買履歴を活用して、顧客ごとに算出し、アップセルやリテンション施策の検討材料としましょう。
これらの指標をSalesforceのレポート機能やダッシュボード機能で可視化することで、経営層から現場まで一目で状況を把握できるようになります。
数値が悪化したら具体的に何が問題なのか、どの部門がどう改善できるのかを素早く検討しやすいのも魅力です。
失敗を避けるポイント
DXやSalesforce導入で失敗を避けるためには、以下の点に注意することが大切です。
- 目的の明確化:何を改善するためのDXなのか、導入前にしっかりと目標を定めます。
- 現場の巻き込み:システム導入をIT部門だけに任せると失敗しがちです。営業やサポートなど、実際に使う人たちが納得して使い続けられる環境をつくりましょう。
- 段階的な導入:全部を一気に変えようとすると混乱が生じます。優先度の高い領域から少しずつ導入し、成功体験を積み重ねる方がうまくいくケースが多いです。
- 継続的なサポート体制:システム導入後も定期的な研修やフォローアップを行い、利用者の疑問や不満を早期に解消する仕組みを整えます。
まとめ
DXの成功は、単に新しいテクノロジーを導入するだけでは達成できません。
ビジネスプロセス全体を見直し、組織が一丸となって顧客中心の文化を育てることが不可欠です。
Salesforceを核としたカスタマージャーニー最適化は、そのための強力な手段となります。
私の経験上、最初は小さな成功を積み重ね、部門をまたいだ連携のメリットを実感してもらうことが大切です。
その成功がやがて組織全体に広がり、本格的なDX推進へとつながっていきます。
ぜひ本記事で紹介したステップや考え方を参考に、Salesforceを使いながらあなたの企業のDXを前進させてみてください。
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