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Web3キャリアを加速させる!ブロックチェーンエンジニアからDeFiアーキテクトへの専門性強化
公開
2025-02-07
文章量
約3431字

Yard 編集部
Yardの編集部が、テック業界の最新トレンドや知見について発信します。
近年、Web3業界の成長に合わせてブロックチェーンエンジニアの需要は高まる一方です。
しかし、その中でもさらに競争力を高めたいと考えるなら、次のステージとしてDeFiアーキテクトの専門性を身につけることをおすすめします。
とくにセキュリティエンジニアとしてスキルを伸ばしたい方、あるいはこれからその道を志す方にとって、DeFi領域でのセキュリティ知識は大きなアドバンテージになります。
この記事では、「ブロックチェーンエンジニアからDeFiアーキテクトに転身・成長するためのポイント」をテーマに、現場感覚を交えながら解説していきます。
DeFiアーキテクトに求められるスキルセットや、セキュリティエンジニアとして押さえておきたい視点などをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

DeFiアーキテクトとは何か
DeFi(Decentralized Finance)は、ブロックチェーン上で動作する金融サービスの総称です。具体的には、分散型取引所(DEX)やレンディングプラットフォームなど、あらゆる金融商品・サービスを中央管理者なしで提供する仕組みを指します。
DeFiアーキテクトは、これらDeFiプロジェクトの設計や開発、セキュリティ対策を主導する専門家といえます。
伝統的な金融システムと比べて歴史の浅い分野だからこそ、バグやハッキング被害が頻発してしまうリスクも否めません。
だからこそセキュリティエンジニアリングの知識を持つDeFiアーキテクトが求められているのです。
DeFiアーキテクトとブロックチェーンエンジニアの違い
- 視野の広さ: ブロックチェーン基盤の開発にとどまらず、金融サービスとしての設計やトークノミクス、ユーザーエクスペリエンス全体を俯瞰する必要があります。
- セキュリティ優先度の高さ: スマートコントラクトのバグは、即時に資金流出など重大な被害につながるケースがあります。したがって、セキュリティ対策を第一に考える姿勢が必須です。
- 金融知識: イールドファーミングやデリバティブなど金融商品に関する理解があると、より適切なスマートコントラクト設計が可能になります。
DeFiアーキテクトに求められる主要スキル
スマートコントラクトとセキュリティ
DeFiアーキテクトにとって、スマートコントラクトのセキュリティ監査は大きな責務の一つです。
コントラクトを設計・実装する際は、次のポイントを強く意識する必要があります。
- 再入可能性攻撃(Reentrancy Attack)の防止
- オラクル操作ミスによる価格操作の防御
- 権限管理の徹底
- テスト駆動開発(TDD)および継続的なレビュー体制の構築
セキュリティエンジニアとしての経験があれば、これらのリスクを洗い出し、攻撃手法を想定したコントラクトを設計できるはずです。
暗号理論と分散システム
DeFiプロジェクトでは、暗号学や分散システムの仕組みを深く理解することが欠かせません。たとえば、次のような要素がプロジェクトの安全性や効率に影響します。
- ゼロ知識証明(ZK)を活用したプライバシー強化
- マルチシグやThreshold Signatureによるウォレット管理
- L2ソリューション(Optimistic RollupsやZK Rollupsなど)の活用
これらはブロックチェーンエンジニアでもある程度は触れる領域ですが、DeFi領域では金融資産を直接扱うため、実装レベルでしっかり把握しないと大きな損害に発展するリスクが高まります。

プロダクトマネジメント能力
DeFiアーキテクトは、サービス全体を俯瞰する視点を持ち、開発の優先度を調整する必要があります。
とくに資金の流れやリスク管理が直接ユーザーに関わる分野なので、ユーザー保護とリリーススピードのバランスをどこに置くかは非常に重要です。
- ビジネス面の要件を理解し、最適なスマートコントラクト設計を提案する
- リスク管理や監査プロセスをチーム内外に周知徹底する
- ユーザーインタビューやクイックテストで、実際の運用リスクを想定する
このように、技術だけでなく、プロダクト全体の方向性をリードする力が求められます。
セキュリティエンジニアにとってのDeFiの魅力と難しさ
激しい進化と多様な攻撃手法
DeFi領域は日進月歩で進化しています。
その一方で、過去に例のない新しい攻撃手法も次々に登場しています。
セキュリティエンジニアにとっては、常に最新の攻撃ベクトルを学び続ける必要がありますが、裏を返せば飽きることなくスキルを磨き上げられるともいえます。
自分が防いだ脆弱性が、ユーザーの資産を守っているという実感は、大きなやりがいに繋がるはずです。
法律・規制との兼ね合い
金融サービスを扱ううえで、各国の規制やコンプライアンスを無視するわけにはいきません。
DeFiは国や地域にまたがって展開されるケースが多いので、下記のようなポイントにも気を配りましょう。
- 資金洗浄対策(AML/KYC)の設計
- トークンの証券該当性の判断
- セキュリティ監査報告書の作成と公開
技術と法律が複雑に絡み合う部分が多いのもDeFiの特徴です。
セキュリティエンジニアとして活動する際には、コンプライアンスや規制変更にも対応できるリサーチ能力が欠かせません。

ブロックチェーンエンジニアからDeFiアーキテクトへ成長するためのステップ
スマートコントラクトの設計・監査スキルを強化
まずはSolidityやVyperなどのスマートコントラクト言語を極めましょう。
既存のDeFiプロトコルをコードレベルで学習し、どういった設計が一般的なのか、どんな攻撃を想定しているのかをリバースエンジニアリングするのがおすすめです。
実在する攻撃事例(例: DAOハック、Roninブリッジのハッキングなど)を解説する記事やレポートを読み込み、具体的な防御手法を体得するのも効果的です。
プロトコル設計とトークノミクスの基礎を学ぶ
DeFiアーキテクトとして成果を出すには、プロトコルの設計だけでなく、トークンエコノミクスやガバナンスモデルを理解することが重要です。以下のような情報源を活用しましょう。
- 主要なDeFiプロトコルのホワイトペーパー(例: MakerDAO, Compound, Aaveなど)
- ガバナンスフォーラムやコミュニティでの議論
実際に運用されているプロジェクトの議論に参加すると、リアルタイムな課題や改善提案の流れが把握でき、より実践的な知識が身につきます。
コミュニティでの貢献とネットワーキング
DeFiプロジェクトは、コミュニティ主導で開発や意思決定を進めるケースが多いです。
そこに参加し、コードレビューやセキュリティ診断レポートなどで貢献すると、自然とプロトコル内部の人脈が広がります。
GitHubやDiscord、Telegramなどを使って積極的に意見交換し、コミュニティメンバーからのフィードバックを得ることで、より深いノウハウを獲得できます。
セキュリティエンジニアとしてDeFi領域で活躍するために
- セキュリティ監査の知見: コード解析だけでなく、ビジネスロジック上の脆弱性も洗い出せるようになると重宝されます。
- 新技術へのアンテナ: L2、ZK技術など新しい仕組みが続々と登場するため、キャッチアップを怠らない習慣が重要です。
- 自己発信の場を持つ: ブログやSNSでセキュリティ関連の気付きや調査結果を発信すると、信頼度を高められます。
最初は小さなDeFiプロジェクトの監査や修正提案から始めるのも手です。
そこから成功事例を積み重ね、実績をアピールすることで、より大きなプロジェクトや企業から声がかかりやすくなります。
まとめ
ブロックチェーンエンジニアとしての基礎を押さえている方にとって、DeFiアーキテクトとしてのキャリアアップは大きなチャンスです。
金融の最先端を走るこの分野では、新技術や新たな攻撃手法への対応など、常に学びと挑戦が求められます。
しかし、それだけに成長スピードも速く、やりがいのある市場といえるでしょう。
とくにセキュリティエンジニアとしての経験を活かせる場面は多く、ユーザー資産を守る立場としての責任感と達成感を同時に得られます。
もし、ブロックチェーンエンジニアの延長線で新たな専門性を求めているなら、ぜひDeFiの世界に踏み込んでみてください。
次世代の金融インフラを築く立役者として、あなたのスキルが大いに活きるはずです。
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